抵当権が付いた共有持分は売却できる?住宅ローンが残っている場合の対処法を解説

共有持分の売却・買取

共有名義の不動産について、 住宅ローンが残っていたり、 共有持分に抵当権が付いていたりするケースがあります。

この場合、

「抵当権が付いていても持分を売却できる?」
「住宅ローンを完済しないと売れない?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

結論からいうと、 抵当権が付いた共有持分でも、 法律上売買の対象にすること自体は可能です。

ただし、 抵当権が残ったまま売却すると、 買主が取得した後も原則として抵当権の負担が残ります。

債務の返済が滞れば、 抵当権者による競売によって 買主が取得した持分や不動産が失われる可能性があります。

そのため実務では、 売買代金などでローンを返済し、 決済と同時に抵当権を抹消して売却する 方法が一般的です。

この記事では、 抵当権が付いた共有持分を売却する方法、 住宅ローンが残っている場合の対応、 共同担保・オーバーローン・差押えがある場合の注意点まで解説します。

  1. 抵当権が付いた共有持分でも売却できる?
  2. 抵当権とは?
  3. 共有不動産では抵当権の設定範囲を確認する
  4. 他の共有者の持分だけに抵当権がある場合
  5. 自分の持分にも抵当権が付いている場合
    1. 抵当権・住宅ローンが残る共有持分も査定
  6. 住宅ローンが残っていても売却できる?
  7. 売却代金よりローン残高が多い場合
  8. オーバーローンなら任意売却を検討するケースもある
  9. 共同担保になっている場合は注意
  10. 共有者の住宅ローンの共同担保に自分の持分が入っている場合
  11. 抵当権が付いたまま買主へ売却するとどうなる?
  12. 抵当権と差押えは何が違う?
  13. 抵当権に加えて差押えも入っている場合
  14. 競売開始決定後でも売却できる?
    1. 抵当権・差押えがある共有持分もご相談ください
  15. 抵当権付き共有持分を売却する流れ
  16. 抵当権付き共有持分の査定で確認されるポイント
    1. 不動産全体の市場価格
    2. 共有持分割合
    3. 現在のローン残高
    4. 抵当権の設定範囲
    5. 抵当権の順位
    6. 差押え・競売の有無
    7. 共有者・利用状況
  17. 抵当権付き共有持分を売却するときに避けたいこと
    1. ローン残高を確認せず売却を進める
    2. 抵当権が自分の持分に付いていないと思い込む
    3. 共同担保を確認せず売却する
    4. 差押えや競売開始決定を放置する
    5. 抵当権付きのまま売れるから問題ないと考える
  18. 抵当権付き共有持分でよくある質問
    1. 住宅ローン・抵当権が残っていてもまず確認
  19. まとめ|抵当権があっても売却可能。ただし抹消条件の確認が重要

抵当権が付いた共有持分でも売却できる?

法律上、 抵当権が設定されている不動産や共有持分についても 売買契約を締結すること自体は可能です。

しかし、 抵当権は所有者が変わっただけで 当然に消滅するものではありません。

そのため、 抵当権付きのまま共有持分を取得した買主は、 抵当権が実行された場合に 競売によって所有権を失うリスクを負うことになります。

このリスクがあるため、 通常の不動産売買では、 決済時までに抵当権を抹消できることを 売却条件とするケースが一般的です。

ポイント

「抵当権がある=絶対に売れない」 ではありません。 ただし、 「抵当権を残したまま売る」のか、 「売却時に抵当権を抹消する」のか によって売却条件は大きく変わります。

抵当権とは?

抵当権とは、 住宅ローンなどの債権を担保するために 不動産へ設定される担保権です。

たとえば、 銀行から住宅ローンを借りて 自宅に抵当権を設定した場合、 ローンの返済ができなくなると、 銀行は抵当権を実行して 不動産を競売にかけることができます。

抵当権が付いていても 所有者は不動産を使用したり売買したりできますが、 抵当権そのものが自動的に消えるわけではありません。

共有不動産では抵当権の設定範囲を確認する

共有不動産では、 「抵当権が付いている」といっても どこまで担保になっているのかによって状況が異なります。

主に、

  • 不動産全体に抵当権が設定されている
  • 特定の共有者の持分だけに抵当権が設定されている
  • 複数の不動産が共同担保になっている

などがあります。

そのため、 まず登記事項証明書を確認して、 抵当権の対象が「不動産全体」なのか「特定の持分」なのか を確認することが重要です。

他の共有者の持分だけに抵当権がある場合

たとえば、

  • A:1/2(抵当権なし)
  • B:1/2(B持分に抵当権あり)

というケースがあります。

この場合、 Aの持分自体に抵当権が設定されていないのであれば、 B持分の抵当権とA持分の売却は 分けて考える必要があります。

Aが自分の1/2持分を売却する場合、 Bの持分に抵当権があるという理由だけで 当然にA持分まで売却できなくなるわけではありません。

ただし、 共有不動産全体の権利関係としては 査定や買主の判断に影響する可能性があります。

自分の持分にも抵当権が付いている場合

自分が売却したい共有持分そのものに 抵当権が設定されている場合には、 抵当権をどのように処理するかが重要です。

一般的には、

  • 現在のローン残高を確認する
  • 売買代金で返済できるか確認する
  • 金融機関へ抹消条件を確認する
  • 決済時に返済・抵当権抹消を行う

という流れを検討します。

抵当権・住宅ローンが残る共有持分も査定

現在のローン残高や抵当権の状況を確認しながら、 共有持分を売却できる可能性と査定価格を確認できます。

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住宅ローンが残っていても売却できる?

住宅ローンが残っていても、 売却代金などでローンを完済し、 抵当権を抹消できるのであれば、 売却を進められるケースがあります。

たとえば、

  • 住宅ローン残高:1,000万円
  • 売却価格:1,500万円

で、 売却対象や抵当権の範囲などに問題がなければ、 売買代金からローンを返済し、 抵当権を抹消する方法を検討できます。

ただし、 共有持分だけを売却する場合には、 不動産全体の売却とは異なり、 金融機関が持分だけの担保解除に応じるかなどを 確認する必要があります。

売却代金よりローン残高が多い場合

売却価格より住宅ローン残高が多い状態を、 一般にオーバーローンと呼びます。

たとえば、

  • 売却価格:1,000万円
  • ローン残高:1,500万円

なら、 500万円不足します。

この場合でも、 不足分を自己資金などで補って ローンを完済できれば、 抵当権を抹消して売却できる可能性があります。

一方、 不足分を用意できない場合には、 通常の方法で抵当権を抹消して売却することが難しくなります。

オーバーローンなら任意売却を検討するケースもある

ローンを完済できず、 返済も困難になっている場合には、 金融機関などの債権者と協議して 任意売却を検討するケースがあります。

任意売却は、 債権者の同意を得て、 抵当権などを調整しながら 競売ではなく通常の売買に近い形で売却する方法です。

ただし、 所有者だけの判断で抵当権を消せるわけではありません。

債権者との調整が必要になります。

共同担保になっている場合は注意

一つの住宅ローンについて、 複数の不動産や複数の持分が 共同担保として設定されている場合があります。

たとえば、

  • 土地
  • 建物
  • 別の不動産
  • 共有者それぞれの持分

などが同じ債権の担保になっているケースです。

この場合、 自分の共有持分だけを売却したいからといって、 その持分だけを当然に共同担保から外せるとは限りません。

金融機関が担保の一部解除に応じるか、 どの程度の返済が必要なのかなどを 事前に確認する必要があります。

そのため、 共同担保になっている共有持分を売却する場合には、

  • 被担保債権の残高
  • 共同担保になっている不動産
  • 売却対象の持分
  • 金融機関の担保解除条件

を確認することが重要です。

共同担保の場合の注意点

自分の持分だけを売却したい場合でも、 その持分が他の不動産と一緒に共同担保へ入っていると、 自分の判断だけで抵当権を外すことはできません。 まず登記とローン残高を確認し、 金融機関へ担保解除の条件を確認することが重要です。

共有者の住宅ローンの共同担保に自分の持分が入っている場合

共有不動産では、 自分自身が住宅ローンの主債務者ではないのに、 自分の共有持分が共同担保として 抵当権の対象になっているケースがあります。

たとえば、

  • A:住宅ローンの債務者
  • B:共有者
  • A持分・B持分の双方に同じ抵当権が設定されている

というケースです。

この場合、 Bが自分の持分を売却したいとしても、 B持分に設定された抵当権を どのように処理するか確認する必要があります。

B自身がローン債務者ではないという理由だけで、 B持分の抵当権が当然に消えるわけではありません。

そのため、 「誰の借金なのか」と 「どの不動産・持分に抵当権が付いているのか」は 分けて確認することが重要です。

抵当権が付いたまま買主へ売却するとどうなる?

抵当権を抹消せずに売却した場合でも、 所有権自体を買主へ移転することは法律上可能です。

しかし、 所有者が変わっても抵当権は原則として残ります。

その後、 被担保債務の返済が滞り、 抵当権が実行されれば、 買主が取得した不動産や共有持分が 競売の対象になる可能性があります。

そのため、 抵当権付きのまま購入する買主は 大きなリスクを負うことになります。

実務上は、 決済時に抵当権を抹消できることを確認したうえで 売買を進めることが重要です。

抵当権と差押えは何が違う?

抵当権と差押えは、 どちらも登記簿に記載されることがありますが、 意味は異なります。

項目 抵当権 差押え
主な目的 債権を担保する 強制執行等による処分を確保する
よくある原因 住宅ローン・事業融資など 債務の未払い・税金滞納など
売却時 抹消条件の確認が重要 差押え解除・取下げ等の調整が重要
放置した場合 債務不履行で競売の可能性 強制執行・競売等が進む可能性

抵当権に加えて差押えも入っている場合

住宅ローンの抵当権だけではなく、 他の債権者による差押えが 登記されているケースもあります。

この場合には、 抵当権者だけではなく、 差押債権者との調整も必要になる可能性があります。

たとえば、

  • 住宅ローン残高
  • 抵当権の順位
  • 差押債権額
  • 売却予定価格
  • 売却代金から各債権者へ支払える金額

などを確認します。

特に競売手続きがすでに始まっている場合には、 時間的な余裕が少なくなるため、 早めに状況を確認することが重要です。

競売開始決定後でも売却できる?

抵当権者や差押債権者の申立てによって 競売開始決定がされた後でも、 任意売却などによる解決を検討できるケースがあります。

ただし、 競売開始決定後は、 通常の売却よりも関係者との調整が重要になります。

また、 競売手続きは進行していくため、 「売却を検討しているから競売が自動的に止まる」 わけではありません。

任意売却を成立させるためには、 必要な債権者との調整や 競売手続きとの時間関係を確認する必要があります。

抵当権・差押えがある共有持分もご相談ください

住宅ローン残高や差押えがある場合でも、 現在の権利関係を確認しながら 売却できる可能性と査定価格を確認できます。

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抵当権付き共有持分を売却する流れ

STEP1|登記事項証明書を確認

まず登記事項証明書で、

  • 抵当権者
  • 債権額
  • 抵当権の順位
  • 抵当権の対象
  • 共同担保の有無
  • 差押えの有無

などを確認します。

STEP2|現在のローン残高を確認

登記簿に記載された債権額と、 現在の実際のローン残高は 同じとは限りません。

金融機関へ現在の残高を確認します。

STEP3|共有持分の査定を受ける

不動産全体だけではなく、 自分の共有持分を売却した場合の 査定価格を確認します。

抵当権・共同担保・差押えなどがある場合には、 査定時に正確に伝えることが重要です。

STEP4|抵当権の抹消条件を確認

売買代金などでローンを返済し、 売却対象の抵当権を抹消できるか確認します。

共同担保の場合には、 持分だけの担保解除に応じてもらえるかも 金融機関へ確認します。

STEP5|売買条件・債権者との調整

抵当権以外に差押えなどがある場合には、 必要に応じて各債権者との調整を進めます。

STEP6|売買契約・決済・抵当権抹消

条件が整えば売買契約を締結し、 決済時に売買代金等から必要な返済を行います。

そのうえで、 抵当権抹消登記と 買主への所有権移転登記を進めます。

抵当権付き共有持分の査定で確認されるポイント

不動産全体の市場価格

まず、 土地・建物全体として どの程度の市場価値があるのか確認します。

共有持分割合

2分の1なのか、 10分の1なのかなど、 売却する持分割合を確認します。

現在のローン残高

売却代金などで ローンを完済できるかを判断する重要な情報です。

抵当権の設定範囲

不動産全体に付いているのか、 自分の持分だけなのか、 共同担保なのかを確認します。

抵当権の順位

複数の抵当権がある場合には、 どの抵当権が先順位なのかを確認します。

差押え・競売の有無

差押えや競売開始決定がある場合には、 通常の抵当権付き売却より 対応が複雑になる可能性があります。

共有者・利用状況

誰が不動産を使用しているのか、 共有者との関係なども 持分査定へ影響する可能性があります。

抵当権付き共有持分を売却するときに避けたいこと

ローン残高を確認せず売却を進める

登記簿上の債権額だけを見て、 現在の残高を判断しないようにしましょう。

売却時には、 金融機関へ実際の残高や 完済に必要な金額を確認することが重要です。

抵当権が自分の持分に付いていないと思い込む

共有不動産では、 抵当権の設定範囲が複雑な場合があります。

必ず登記事項証明書を確認しましょう。

共同担保を確認せず売却する

複数の不動産や持分が共同担保になっている場合には、 自分の持分だけを自由に担保から外せるとは限りません。

差押えや競売開始決定を放置する

競売手続きが開始されている場合には、 時間の経過とともに手続きが進みます。

任意売却などを検討する場合には、 早めに対応することが重要です。

抵当権付きのまま売れるから問題ないと考える

法律上売買できることと、 買主がその条件で購入することは別です。

抵当権付きのままでは買主に競売リスクが残るため、 通常は抹消条件を整理して売却することになります。

売却前のチェック項目

・現在のローン残高
・抵当権者
・抵当権の順位
・抵当権の設定範囲
・共同担保の有無
・差押えの有無
・競売開始決定の有無
・共有持分の査定価格 を確認してから売却方法を判断しましょう。

抵当権付き共有持分でよくある質問

Q. 住宅ローンが残っていても共有持分を売却できますか?

売却代金や自己資金などでローンを返済し、 抵当権を抹消できる場合には売却を進められる可能性があります。 持分だけを売却する場合には、 金融機関が担保の一部解除に応じるかなどの確認も必要です。

Q. 抵当権が付いたまま売却できますか?

法律上、抵当権付きのまま売買すること自体は可能です。 ただし、所有者が変わっても抵当権は原則として残り、 債務不履行があれば競売されるリスクがあります。 そのため実務では抵当権の抹消条件を整理することが一般的です。

Q. 他の共有者の持分だけに抵当権があります。自分の持分は売れますか?

自分の持分自体に抵当権が設定されていないのであれば、 他の共有者の持分に抵当権があるという理由だけで 当然に自分の持分を売却できなくなるわけではありません。 ただし、共有不動産全体の権利関係として査定へ影響する可能性があります。

Q. 自分はローンを借りていませんが自分の持分にも抵当権があります

自分が主債務者でなくても、 自分の持分が担保として抵当権の対象になっている場合があります。 売却時には、その抵当権をどのように抹消するか確認する必要があります。

Q. 売却価格より住宅ローン残高の方が多い場合は売れませんか?

売却代金だけでローンを完済できなくても、 不足分を自己資金などで補って完済できれば、 抵当権を抹消して売却できる可能性があります。 不足分を用意できず返済も困難な場合には、 債権者の同意を得て任意売却を検討するケースがあります。

Q. 共同担保になっていても自分の持分だけ売却できますか?

売却を検討することはできますが、 売却する持分に抵当権が設定されている場合には、 金融機関がその持分だけの担保解除に応じるか確認する必要があります。 共同担保だからといって、 自分の判断だけで一部の抵当権を外すことはできません。

Q. 抵当権と差押えが両方入っていても売却できますか?

売却できる可能性はありますが、 抵当権者だけでなく差押債権者との調整も必要になる場合があります。 売却価格、債権額、抵当権の順位などを確認し、 決済時に必要な登記を解除・抹消できる条件を整えることが重要です。

Q. 競売開始決定後でも任意売却できますか?

競売開始決定後でも、 債権者との調整によって任意売却を検討できるケースがあります。 ただし、売却を検討しているだけでは競売手続きは止まりません。 競売の進行状況を確認しながら早めに対応する必要があります。

住宅ローン・抵当権が残っていてもまず確認

抵当権・共同担保・差押えなどがある共有持分でも、 現在の登記と債務状況を確認しながら 売却できる可能性と査定価格を確認できます。

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まとめ|抵当権があっても売却可能。ただし抹消条件の確認が重要

抵当権が付いている共有持分でも、 法律上、売買の対象にすること自体は可能です。

ただし、 共有持分を売却しただけで 抵当権が自動的に消えるわけではありません。

抵当権を残したまま買主へ所有権を移転すると、 その後に債務の返済が滞った場合、 抵当権が実行されて競売になるリスクが買主にも残ります。

そのため、 通常の売買では、 売買代金などで被担保債務を返済し、 決済と同時に抵当権を抹消できるか確認すること が重要です。

特に共有不動産では、

  • 不動産全体に抵当権が付いている
  • 自分の持分だけに抵当権が付いている
  • 他の共有者の持分だけに抵当権が付いている
  • 複数の持分や不動産が共同担保になっている

など、 抵当権の設定範囲によって対応が変わります。

また、 売却価格よりローン残高が多い オーバーローンの場合には、 不足額を自己資金で補えるか、 債権者との調整による任意売却が可能かなどを 検討する必要があります。

抵当権だけではなく、 差押えや競売開始決定まで入っている場合には、 より早い対応が重要になります。

まず登記事項証明書で抵当権の順位・対象・共同担保・差押えの有無を確認し、 現在のローン残高と共有持分の査定価格を把握したうえで、 抵当権を抹消できる条件を整えて売却方法を判断することが重要です。

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