差押えされた共有持分は売却できる?競売前に売る方法と注意点を解説

共有持分の売却・買取

借金や税金などの滞納によって、 所有している共有持分が差し押さえられることがあります。

登記事項証明書を確認したところ、

「差押」と記載されていて初めて気づいた

というケースもあります。

この場合、

「差押えされた後でも共有持分を売却できる?」
「競売になる前に第三者へ売れる?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

差押え後であっても、 所有者が売買契約を締結すること自体が 直ちに不可能になるわけではありません。

しかし、 差押えの効力を無視して買主へ完全な権利を移転できるわけではありません。

差押登記が残ったまま所有権を移転しても、 差押債権者との関係ではその処分を対抗できず、 強制執行や競売が進む可能性があります。

そのため実際に売却する場合には、 差押債権者への支払い・交渉などによって 差押えを解除・取下げできる条件を整えたうえで決済する ことが重要です。

この記事では、 差押えされた共有持分の売却、 競売前に売る方法、 抵当権と差押えが両方ある場合、 競売開始決定後の対応まで解説します。

  1. 差押えされた共有持分でも売却できる?
  2. そもそも差押えとは?
  3. 共有持分だけが差し押さえられることはある?
  4. 自分の持分だけが差し押さえられた場合
    1. 差押えされた共有持分も早めに査定
  5. 他の共有者の持分だけが差し押さえられた場合
  6. 差押えと抵当権が両方ある場合
  7. 競売前に売却するメリット
    1. 売却条件を自分で検討しやすい
    2. 競売より早く問題を整理できる場合がある
    3. 共有関係を自分の意思で整理できる可能性がある
  8. 競売前なら必ず自由に売却できるわけではない
  9. 差押えを解除して売却する基本的な考え方
  10. 差押債権額より売却価格が低い場合
  11. 複数の債権者から差押えがある場合
  12. 税金の滞納による差押えの場合
    1. 差押え・複数債権があっても売却可能性を確認
  13. 競売開始決定後はどうなる?
  14. 競売開始決定後の任意売却で重要なこと
    1. 競売の進行状況を確認する
    2. 債権者をすべて確認する
    3. 共有持分の売却価格を早めに確認する
    4. 差押え解除・競売取下げの条件を確認する
  15. 差押えされた共有持分を売却する流れ
  16. 他の共有者にはどんな影響がある?
  17. 差押えを放置するとどうなる?
    1. 競売へ進む可能性がある
    2. 売却先を自分で選べなくなる可能性がある
    3. 知らない第三者が共有者になる可能性がある
    4. 任意売却できる時間が少なくなる
  18. 差押えされた共有持分で避けたいこと
    1. 差押えを無視して第三者へ売却する
    2. 一社だけ支払えば解決すると決めつける
    3. 競売開始決定を放置する
    4. 売却価格だけで判断する
  19. 差押えされた共有持分でよくある質問
    1. 競売になる前に共有持分の売却可能性を確認
  20. まとめ|差押え後でも売却の可能性はあるが早めの対応が重要

差押えされた共有持分でも売却できる?

差押え後でも、 所有者が売買契約を締結すること自体は可能です。

ただし、 差押えが入った後の処分は、 差押債権者との関係で大きな制約を受けます。

買主へ所有権を移転したとしても、 差押債権者がその後の処分に拘束されるわけではなく、 差押えに基づく強制執行が進む可能性があります。

そのため、 通常は、

  • 差押債権額を確認する
  • 売却価格を確認する
  • 差押債権者と解除・取下げ条件を調整する
  • 決済時に必要な支払いを行う
  • 差押登記を解除・抹消できる状態にする

という流れで売却を検討します。

重要

「差押え後でも売買契約はできる」 ことと、 「差押えを残したまま安全に売却できる」 ことは別です。 実際の売却では、 差押えを解除・取下げできる条件を 確認することが重要です。

そもそも差押えとは?

差押えとは、 債権者が債権を回収するために、 債務者の財産を強制執行の対象として確保する手続きです。

不動産や共有持分が差し押さえられると、 登記簿にも差押えの登記がされます。

差押えの原因としては、

  • 借入金の未払い
  • 判決等で確定した金銭債務
  • 税金の滞納
  • その他の債務不履行

などがあります。

共有持分だけが差し押さえられることはある?

あります。

たとえば、

  • A:1/2
  • B:1/2

で不動産を共有していて、 Aだけに個人的な借金がある場合、 Aの1/2持分だけが差押え・競売の対象になることがあります。

B自身がその債務の債務者ではなく、 B持分に差押えが及んでいないのであれば、 Aの個人的な債務だけを理由として 当然にBの1/2持分まで差し押さえられるわけではありません。

自分の持分だけが差し押さえられた場合

自分の共有持分に差押えが入っている場合には、 その持分について強制執行が進む可能性があります。

競売によって第三者が落札すると、 その第三者が新しい共有者になります。

そのため、 競売を避けて任意の売却を希望するのであれば、 できるだけ早い段階で、

  • 差押債権額
  • 他の債務
  • 抵当権の有無
  • 共有持分の査定価格
  • 競売手続きの進行状況

を確認することが重要です。

差押えされた共有持分も早めに査定

競売が進む前に、 現在の差押債権額や権利関係を確認しながら 共有持分を売却できる可能性を確認できます。

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他の共有者の持分だけが差し押さえられた場合

自分ではなく、 他の共有者の持分だけが差し押さえられているケースもあります。

たとえば、

  • A:1/2(差押えなし)
  • B:1/2(差押えあり)

という状態です。

この場合、 A自身の1/2持分に差押えが入っていないのであれば、 Bの差押えだけを理由として 当然にA持分まで売却できなくなるわけではありません。

ただし、 B持分が競売になって第三者へ移転すると、 Aはその第三者と共有関係になる可能性があります。

そのため、 自分の持分に差押えがなくても、 他の共有者の差押え・競売状況は 今後の共有関係に大きく影響する可能性があります。

差押えと抵当権が両方ある場合

共有持分には、 住宅ローンなどの抵当権が付いたうえで、 別の債権者から差押えが入っていることがあります。

たとえば、

  • 第1順位:銀行の抵当権
  • その後:一般債権者による差押え

というケースです。

この場合には、 売却代金からどの債権者へ どの程度の支払いが必要なのか確認する必要があります。

抵当権者・差押債権者など、 複数の関係者との調整が必要になることもあります。

競売前に売却するメリット

売却条件を自分で検討しやすい

任意の売却であれば、 買主や売買価格、 決済条件などについて 交渉できる余地があります。

競売より早く問題を整理できる場合がある

買主と債権者との調整がまとまれば、 競売手続きの完了を待たずに 任意売却によって解決できるケースがあります。

共有関係を自分の意思で整理できる可能性がある

競売で第三者に落札される前に 任意売却できれば、 自分で売却先・条件を検討できます。

競売前なら必ず自由に売却できるわけではない

競売が始まる前であっても、 差押えがすでに入っている場合には、 所有者だけの判断で 差押えを無視して安全に売却できるわけではありません。

実際に買主へ問題のない形で権利を移転するためには、 差押債権者と調整し、 決済時に差押えを解除・取下げできる状態にする必要があります。

また、 抵当権も設定されている場合には、 抵当権者との調整も必要になることがあります。

そのため、 競売前だから時間に余裕があると考えず、 差押えが判明した時点で早めに債権額と売却可能性を確認すること が重要です。

差押えを解除して売却する基本的な考え方

差押えされた共有持分を任意に売却する場合には、 売買代金などを利用して 差押債権者への支払いを行い、 差押えを解除・取下げてもらう方法を検討します。

たとえば、

  • 共有持分の売却価格:1,000万円
  • 差押債権額:200万円

で、 他の抵当権や債務などに問題がないケースを考えます。

差押債権者との調整が整えば、 決済時に必要な支払いを行い、 差押えを解除したうえで 買主へ所有権を移転できる可能性があります。

ただし、 実際には抵当権や他の差押え、 税金滞納などが存在することもあるため、 一つの差押債権額だけを見て判断しないこと が重要です。

差押債権額より売却価格が低い場合

共有持分の売却価格より 差押債権額の方が大きいケースもあります。

たとえば、

  • 共有持分の売却価格:500万円
  • 差押債権額:800万円

という場合です。

売買代金だけでは債権全額を返済できないため、 通常の完済による差押え解除は難しくなります。

不足分を自己資金で支払えるのであれば、 完済して差押えを解除できる可能性があります。

一方、 完済できない場合には、 差押債権者がどのような条件なら 差押えの解除・取下げに応じるのか 個別に交渉する必要があります。

差押え解除で確認すること

・差押債権者は誰か
・現在の債権額はいくらか
・他に抵当権があるか
・他にも差押えがあるか
・税金滞納があるか
・共有持分はいくらで売れるか
・決済時にいくら支払えるか をまとめて確認することが重要です。

複数の債権者から差押えがある場合

一つの共有持分について、 複数の債権者が関係しているケースがあります。

たとえば、

  • 住宅ローンの抵当権
  • A社による差押え
  • B社による差押え
  • 税金滞納による差押え

などです。

この場合、 一社だけへ支払えば 必ず自由に売却できるとは限りません。

登記事項証明書や債権額を確認し、 売却時に解除・抹消が必要な権利を整理する必要があります。

売却代金だけでは全債権を完済できない場合には、 各債権者との配分・解除条件の調整が必要になることがあります。

税金の滞納による差押えの場合

固定資産税・住民税などの滞納によって、 国や地方公共団体から 不動産・共有持分を差し押さえられるケースもあります。

税金滞納による差押えについても、 売却するのであれば 差押えを解除できる条件を確認する必要があります。

一般の債権者による差押えとは 手続きや交渉先が異なるため、 差押えをした行政機関へ 現在の滞納額や解除条件を確認します。

差押え・複数債権があっても売却可能性を確認

抵当権や複数の差押えがある場合でも、 売却価格と債権額を整理しながら 任意売却できる可能性を確認できます。

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競売開始決定後はどうなる?

債権者が競売を申し立て、 裁判所から競売開始決定が出ると、 競売手続きが本格的に進んでいきます。

この段階でも、 債権者との調整によって 任意売却を検討できるケースがあります。

ただし、 競売開始決定後は時間との勝負になりやすい 点に注意が必要です。

買主を探している間にも 競売手続きは進行します。

任意売却を検討しているという理由だけで、 裁判所の競売手続きが 自動的に止まるわけではありません。

競売開始決定後の任意売却で重要なこと

競売の進行状況を確認する

競売開始決定が出ている場合には、 現在どの段階まで手続きが進んでいるのか確認します。

債権者をすべて確認する

抵当権者・差押債権者など、 売却に関係する債権者を整理します。

共有持分の売却価格を早めに確認する

債権者との交渉を進めるためにも、 実際に共有持分がいくらで売却できるのか 早めに確認することが重要です。

差押え解除・競売取下げの条件を確認する

任意売却を成立させるためには、 必要な差押え解除や 競売申立ての取下げ等について 債権者との調整が必要になります。

差押えされた共有持分を売却する流れ

STEP1|登記事項証明書を確認

まず、

  • 差押債権者
  • 差押登記の日付
  • 抵当権
  • その他の差押え
  • 競売開始決定の有無

を確認します。

STEP2|現在の債権額を確認

差押登記だけでは、 現在の正確な債務残高が分からない場合があります。

債権者へ現在の債権額を確認します。

STEP3|共有持分の査定を受ける

現在の共有状態・差押え・抵当権などを前提として、 共有持分を売却した場合の価格を確認します。

STEP4|債権者と解除条件を調整

売買代金などからいくら支払えば、 差押え解除・取下げに応じてもらえるのか確認します。

複数の債権者がいる場合には、 それぞれとの調整が必要になることがあります。

STEP5|売買契約

差押え解除などの条件を確認したうえで、 売買契約を締結します。

契約内容については、 差押えを解除できなかった場合などの扱いも 確認しておくことが重要です。

STEP6|決済・差押え解除・所有権移転

決済時に売買代金等から必要な支払いを行い、 差押え解除・取下げに必要な手続きを進めます。

そのうえで、 買主への所有権移転登記を行います。

他の共有者にはどんな影響がある?

自分の共有持分だけが差し押さえられている場合、 他の共有者の持分まで 当然に差押えの対象になるわけではありません。

しかし、 自分の持分が競売されて第三者に落札されれば、 その第三者が新しい共有者になります。

残った共有者は、 知らない第三者と共有関係になる可能性があります。

その後、

  • 持分の売買交渉
  • 不動産全体の売却提案
  • 利用方法についての協議
  • 共有物分割請求

などが行われる可能性があります。

差押えを放置するとどうなる?

競売へ進む可能性がある

差押えが入ったまま債務を解決できなければ、 強制執行として競売へ進む可能性があります。

売却先を自分で選べなくなる可能性がある

任意売却であれば買主や売却条件を検討できますが、 競売では入札によって買受人が決まります。

知らない第三者が共有者になる可能性がある

持分だけが競売された場合には、 落札者が新しい共有者になります。

任意売却できる時間が少なくなる

競売手続きが進むほど、 任意売却を成立させるために使える時間は少なくなります。

差押えが入ったら早めに確認

差押えが判明したら、 1. 登記を確認
2. 債権者を確認
3. 債権額を確認
4. 競売開始の有無を確認
5. 持分価格を確認
6. 差押え解除条件を確認 という順番で整理すると分かりやすくなります。

差押えされた共有持分で避けたいこと

差押えを無視して第三者へ売却する

差押え後に所有権を移転しても、 差押債権者との関係では 差押えに基づく強制執行が進む可能性があります。

差押えを解除できる条件を確認したうえで 売却を進めることが重要です。

一社だけ支払えば解決すると決めつける

抵当権や複数の差押えがある場合には、 一社だけへの支払いでは 権利関係を整理できない可能性があります。

競売開始決定を放置する

競売手続きは、 任意売却を検討している間も進行します。

競売開始決定が出ている場合には、 早めに進行状況を確認しましょう。

売却価格だけで判断する

差押え案件では、 売却価格だけではなく、 債権者へ支払う金額や 解除・取下げ条件を確認することが重要です。

差押えされた共有持分でよくある質問

Q. 差押えされた後でも共有持分を売却できますか?

売買契約を締結すること自体が直ちに不可能になるわけではありません。 ただし、差押えを無視して買主へ安全な権利を移転できるわけではないため、 実際の売却では差押え解除・取下げ等の条件を整えることが重要です。

Q. 差押えをした会社へ全額払えば売却できますか?

その差押えだけが問題で、 債務全額の支払いによって解除できるのであれば、 売却できる可能性があります。 ただし、他の抵当権・差押え・税金滞納などがないかも確認する必要があります。

Q. 他の共有者の持分だけが差し押さえられています。自分の持分は売れますか?

自分の共有持分に差押えが入っていないのであれば、 他の共有者の差押えだけを理由として 当然に自分の持分まで売却できなくなるわけではありません。 ただし、他の持分が競売される可能性は査定や今後の共有関係に影響します。

Q. 差押債権額より持分価格が低くても売れますか?

売買代金だけで債務を完済できない場合には、 不足分を自己資金で補う方法や、 差押債権者との交渉によって解除条件を整える方法を検討します。 債権者が解除に応じなければ、 通常の任意売却が成立しない場合があります。

Q. 競売開始決定後でも売却できますか?

競売開始決定後でも、 債権者との調整によって任意売却を検討できるケースがあります。 ただし、任意売却を検討しているだけでは競売手続きは止まりません。 競売の進行状況を確認しながら、 必要な差押え解除・競売取下げ等の条件を早めに整える必要があります。

Q. 競売になると他の共有者の持分も一緒に売られますか?

自分の共有持分だけが強制執行の対象になっている場合には、 原則としてその持分が競売の対象となります。 他の共有者自身の持分まで、 自分の個人的な債務だけを理由に当然に競売されるわけではありません。 ただし、不動産全体に抵当権が設定されている場合などは状況が異なるため、 登記上の権利関係を確認する必要があります。

Q. 税金の差押えでも任意に売却できますか?

売却を検討できる場合はありますが、 差押えをした行政機関との調整が必要です。 現在の滞納額や解除条件を確認し、 決済時に差押えを解除できる状態を整える必要があります。

競売になる前に共有持分の売却可能性を確認

差押え・抵当権・複数債権がある場合でも、 現在の債権額と持分価格を整理しながら 任意売却できる可能性を確認できます。

共有持分を無料査定する

まとめ|差押え後でも売却の可能性はあるが早めの対応が重要

共有持分が差し押さえられた後でも、 売買契約を締結すること自体が 直ちに不可能になるわけではありません。

ただし、 差押えが入った後に所有権を移転しても、 差押債権者との関係で 差押えの効力を無視できるわけではありません。

そのため、 実際に任意売却を成立させるためには、

  • 差押債権者を確認する
  • 現在の債権額を確認する
  • 抵当権や他の差押えを確認する
  • 共有持分の査定価格を確認する
  • 差押え解除・取下げの条件を確認する
  • 競売が始まっている場合は進行状況を確認する

ことが重要です。

特に、 住宅ローンの抵当権に加えて 複数の差押えが入っている場合には、 一つの債権だけを返済すれば 必ず売却できるとは限りません。

売却代金から、 どの債権者へいくら支払うのか、 各権利を解除・抹消できるのかを まとめて確認する必要があります。

また、 自分の共有持分だけが差し押さえられている場合には、 原則として他の共有者の持分まで 自分の個人的な債務だけを理由に 当然に競売されるわけではありません。

しかし、 自分の持分が競売で第三者へ落札されれば、 その第三者が新しい共有者になります。

その後、 残った共有者との間で 持分売買や不動産全体の売却、 共有物分割などの問題へ発展する可能性があります。

そして最も重要なのは、 差押えや競売を放置しないことです。

競売開始決定が出た後でも 任意売却を検討できるケースはありますが、 売却を検討しているだけで 競売手続きが止まるわけではありません。

競売が進むほど、 任意売却を成立させるために使える時間は 少なくなっていきます。

差押えが判明した段階で、 登記・債権額・抵当権・競売の進行状況・共有持分の査定価格を確認し、 差押え解除や競売取下げに必要な条件を早めに整理したうえで、 競売前の任意売却が可能か判断することが重要です。

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