共有不動産に一人で住んでいると家賃を請求される?使用料の考え方と対処法を解説

相続・共有トラブル

兄弟や親族と共有している不動産に、 共有者の一人だけが住んでいるケースがあります。

たとえば、 親から相続した実家を兄弟2人で2分の1ずつ共有しているものの、 実際には兄だけが住み続けているケースです。

この場合、 住んでいない共有者から、

「自分も持分を持っているのだから家賃を払ってほしい」
「一人だけ無料で住むのはおかしい」

と言われることがあります。

結論からいうと、 共有者の一人が共有不動産を単独で使用している場合、 他の共有者との関係で使用利益に相当する金銭の支払いが問題になることがあります。

ただし、 一人で住んでいるからといって、 必ず一般の賃貸住宅と同じ「家賃」が 自動的に発生するわけではありません。

  • 誰がどの持分を所有しているか
  • なぜ一人だけで使用しているのか
  • 共有者間でどのような合意があったか
  • これまで使用料を請求されていたか
  • 固定資産税などを誰が負担しているか

などによって判断が変わる可能性があります。

この記事では、 共有不動産に一人で住んでいる場合の使用料、 家賃相当額の考え方、 請求された場合の対処法、 共有状態そのものを解消する方法まで解説します。

  1. 共有不動産に一人で住むと家賃を払う必要がある?
  2. なぜ使用料を請求されることがある?
  3. 使用料はいくらになる?
  4. 使用料の金額に影響する主なポイント
    1. ① 不動産の賃料相場
    2. ② 共有持分割合
    3. ③ 共有者間の合意
    4. ④ これまでの利用経緯
    5. ⑤ 固定資産税・修繕費などの負担
  5. 「親から住んでいいと言われていた」場合は?
    1. 一人で住んでいる共有不動産を整理したい方へ
  6. 他の共有者から突然「家賃を払え」と言われたら?
  7. 過去の分までまとめて請求されることはある?
  8. 自分が固定資産税を全部払っている場合は?
  9. 修繕費を一人で払っている場合は?
  10. 一人で住んでいる共有者を追い出すことはできる?
  11. 一人で住んでいる人が鍵を交換した場合
  12. 共有者同士で使用方法を決める方法
  13. 使用料を支払って住み続ける方法
  14. 他の共有者の持分を買い取る方法
  15. 自分の持分を売却して共有関係から離れる方法
    1. 使用料問題を共有関係ごと整理したい方へ
  16. 話し合いで解決できない場合は共有物分割も選択肢
  17. 共有物分割訴訟になったらどうなる?
  18. 共有不動産の使用料トラブルを解決する主な方法
  19. 使用料を請求する側が確認したいこと
    1. 現在の持分割合
    2. 不動産の賃料相場
    3. 過去の合意
    4. 税金・修繕費の負担状況
  20. 使用料を請求された側が確認したいこと
    1. 請求額の根拠
    2. 請求期間
    3. 無償使用についての合意
    4. 自分が負担してきた費用
  21. 共有不動産に一人で住む場合に避けたいこと
    1. 「自分も所有者だから無料で住める」と決めつける
    2. 請求された金額を確認せず支払う
    3. 他の共有者からの連絡を無視する
    4. 共有者同士で実力行使する
  22. 共有不動産の使用料でよくある質問
    1. 使用料を払い続けるか共有関係を解消するか迷っている方へ
  23. まとめ|一人で住んでいるから必ず「家賃」が発生するとは限らない

共有不動産に一人で住むと家賃を払う必要がある?

共有者は、 共有物の全部について 持分に応じた使用をすることができます。

そのため、 共有者の一人が共有不動産に住むこと自体が、 直ちに無権利の占有になるわけではありません。

しかし、 一人の共有者が不動産全体を事実上独占して使用し、 他の共有者が利用できない状態になっている場合には、 他の共有者との関係で 使用利益の調整が問題になることがあります。

つまり、

「共有者だから無料で全部使ってよい」

と単純に考えることはできません。

ポイント

共有不動産に一人で住んでいる場合の金銭問題は、 一般的な賃貸借契約の「家賃」と まったく同じとは限りません。 実務では、 他の共有者が利用できないことによる 「使用利益」「使用料相当額」などが問題になります。

なぜ使用料を請求されることがある?

たとえば、

  • A:1/2
  • B:1/2

で一戸建てを共有していて、 Aだけが建物全体に住んでいるとします。

Bも共有持分を所有していますが、 Aが建物全体を使用しているため、 Bは事実上その不動産を使用できない状態になっていることがあります。

このような場合に、 AがBの持分に対応する部分まで使用して利益を受けているとして、 金銭による調整が問題になることがあります。

使用料はいくらになる?

使用料について、 全国一律の固定金額が決まっているわけではありません。

考え方の一つとして、 その不動産を通常賃貸した場合の 賃料相当額を参考にすることがあります。

たとえば、 その住宅の賃料相当額が 月額12万円で、

  • A:1/2
  • B:1/2

だった場合、 Bの持分割合に対応する使用利益として 月額6万円相当が一つの検討材料になることがあります。

ただし、 必ず「市場家賃 × 相手の持分割合」で確定するわけではありません。

これまでの利用経緯や共有者間の合意、 費用負担などを含めて判断する必要があります。

使用料の金額に影響する主なポイント

① 不動産の賃料相場

周辺の同種物件が どの程度の賃料で貸し出されているのかは、 使用利益を考える一つの材料になります。

② 共有持分割合

2分の1なのか、 4分の1なのかなど、 各共有者がどの程度の持分を所有しているかを確認します。

③ 共有者間の合意

以前から、

「Aが無償で住んでよい」

という合意があった場合には、 その合意内容が重要になります。

④ これまでの利用経緯

相続前から住んでいたのか、 相続後に勝手に住み始めたのかなど、 これまでの経緯も確認する必要があります。

⑤ 固定資産税・修繕費などの負担

居住している共有者が、 固定資産税や修繕費などを 一人で負担しているケースがあります。

使用利益の問題とは別に、 共有者間の費用負担について 精算が必要になる場合があります。

「親から住んでいいと言われていた」場合は?

相続前から親と同居していて、 親から、

「この家に住み続けていい」

と言われていたケースもあります。

この場合には、 その合意の内容や法的性質、 相続後の共有者との関係などを確認する必要があります。

単に他の共有者が、

「自分も相続したから今日から家賃を払え」

と請求しただけで、 必ずその請求どおりの金額が発生するとは限りません。

一人で住んでいる共有不動産を整理したい方へ

使用料を払い続けるのか、 持分を売却して共有関係を整理するのか比較するために、 現在の共有持分価格を確認できます。

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他の共有者から突然「家賃を払え」と言われたら?

まず、 請求された金額をそのまま支払うのではなく、 請求内容を確認しましょう。

主に確認したいのは、

  • 誰が請求しているのか
  • 相手の持分割合
  • 月額いくらを請求しているのか
  • いつからの使用料を請求しているのか
  • 金額の根拠は何か
  • 過去に無償使用の合意がなかったか

です。

請求額に疑問がある場合には、 周辺賃料や不動産の状態などを確認し、 必要に応じて弁護士へ相談します。

過去の分までまとめて請求されることはある?

共有者から、 現在の使用料だけではなく、 過去の使用期間について 金銭を請求されるケースがあります。

ただし、 どの時点からどのような請求が成立するかは、

  • これまでの合意
  • 使用開始の経緯
  • 請求を受けた時期
  • 具体的な法的根拠

などによって判断が異なる可能性があります。

高額な過去分を請求された場合には、 その場で認めたり支払ったりする前に 内容を確認することが重要です。

自分が固定資産税を全部払っている場合は?

共有不動産では、 一人の共有者が固定資産税を まとめて支払っているケースがあります。

固定資産税を一人で支払っているからといって、 それだけで他の共有者からの使用料請求が 当然にすべてなくなるとは限りません。

一方で、 共有者間では固定資産税などの負担について 別途精算が問題になることがあります。

たとえば、 AとBが2分の1ずつ共有しているにもかかわらず、 Aが固定資産税を全額支払っている場合には、 AがBの負担部分まで支払っていることになります。

そのため、

  • Aが負担している固定資産税
  • Aが得ている使用利益
  • Bの持分割合
  • これまでの共有者間の合意

などを整理し、 それぞれの金銭関係を確認する必要があります。

修繕費を一人で払っている場合は?

共有不動産に住んでいる共有者が、 建物の修繕費を一人で負担しているケースもあります。

この場合も、 使用料の問題と修繕費の負担は 分けて整理する必要があります。

修繕の内容によっては、 他の共有者にも費用負担を求められる可能性があります。

ただし、 どのような工事でも 自由に実施して費用を請求できるとは限りません。

工事の内容や必要性、 共有者間の合意などを確認する必要があります。

一人で住んでいる共有者を追い出すことはできる?

他の共有者からすると、

「自分も持分を持っているのだから、 一人で住んでいる共有者を退去させたい」

と考えることがあります。

しかし、 居住している人自身も共有持分を持つ共有者であれば、 単純に無権利で占有している第三者とは異なります。

そのため、 他の共有者が持分を持っているという理由だけで、 当然に一方的な退去を実現できるとは限りません。

共有物の使用方法やこれまでの経緯、 共有者間の合意などを確認する必要があります。

一人で住んでいる人が鍵を交換した場合

共有者の一人が鍵を交換し、 他の共有者が自由に入れない状態になっているケースもあります。

この場合には、 単純な家賃問題だけではなく、 共有物の使用方法そのものについて 争いになる可能性があります。

共有者である以上、 他の共有者にも共有物について権利があります。

一方で、 現在居住している住宅へ 他の共有者が一方的に実力で立ち入れば、 別のトラブルにつながる可能性があります。

当事者だけで解決が難しい場合には、 弁護士などを通じて使用方法を整理することが重要です。

実力行使は避ける

共有者だからといって、 ・勝手に鍵を壊す
・無理に建物へ入る
・荷物を外へ出す などの方法で解決しようとすると、 新しいトラブルになる可能性があります。 使用関係に争いがある場合には、 法的な方法で整理することが重要です。

共有者同士で使用方法を決める方法

共有不動産を今後も保有するのであれば、 誰がどのように使用するのかを 共有者間で明確にしておく方法があります。

たとえば、

  • Aが単独で居住する
  • AがBへ毎月一定額を支払う
  • 固定資産税はAが負担する
  • 大規模修繕は別途協議する
  • 将来売却するときの方法を決める

などです。

後から認識の違いが生じないよう、 重要な条件については 書面で残しておくことも検討しましょう。

使用料を支払って住み続ける方法

他の共有者も、 現在の居住そのものには反対していない場合には、 使用料について合意し、 一人がそのまま住み続ける方法があります。

この場合には、

  • 毎月の金額
  • 支払開始時期
  • 固定資産税の負担
  • 修繕費の負担
  • 将来売却するときの対応

なども合わせて決めておくと、 将来のトラブルを防ぎやすくなります。

他の共有者の持分を買い取る方法

今後もその不動産に住み続けたいのであれば、 他の共有者の持分を買い取り、 単独所有を目指す方法もあります。

たとえば、

  • A:1/2(居住中)
  • B:1/2(別居)

の場合、 AがBの1/2持分を取得すれば、 Aが100%の所有者になります。

共有状態を解消できれば、 将来の使用料や 共有者間の管理問題も整理できます。

ただし、 相手が売却に合意することと、 購入資金を用意できることが必要です。

自分の持分を売却して共有関係から離れる方法

反対に、 共有者との関係が悪化していて、 不動産を今後利用する予定もない場合には、 自分の共有持分を売却する方法があります。

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

自分の持分全部を売却すれば、 原則として共有関係から離れることになります。

使用料問題を共有関係ごと整理したい方へ

共有状態を続ける場合と、 自分の共有持分を売却する場合を比較するために、 現在の持分価格を確認できます。

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話し合いで解決できない場合は共有物分割も選択肢

  • 使用料でもめている
  • 一人だけが長期間住んでいる
  • 相手が持分を売ってくれない
  • 不動産全体の売却にも合意できない

など、 共有状態そのものを続けることが難しい場合には、 共有物分割によって 共有関係を解消する方法があります。

共有物分割では、 まず共有者間で協議し、 解決できなければ 裁判上の共有物分割が問題になることがあります。

共有物分割訴訟になったらどうなる?

使用料や利用方法について 共有者間で解決できず、 共有状態そのものの解消を求める場合には、 共有物分割請求訴訟へ進むことがあります。

裁判では、 不動産や共有関係の状況などを踏まえて、

  • 現物分割
  • 一部の共有者が取得して金銭で調整する方法
  • 競売による換価

などが問題になります。

現在一人で住んでいるからといって、 共有状態を必ず永久に維持できるとは限りません。

共有不動産の使用料トラブルを解決する主な方法

方法 特徴 向いているケース
使用料を決める 共有状態のまま居住を継続 居住自体には双方が納得している
相手持分を買う 単独所有を目指せる 今後も住み続けたい
自分の持分を売る 共有関係から離れられる 不動産を手放したい
不動産全体を売る 共有状態を全体として解消 共有者全員が売却に合意できる
共有物分割 共有状態そのものの解消を目指す 話し合いで解決できない

使用料を請求する側が確認したいこと

現在の持分割合

まず自分と居住者が それぞれどの程度の持分を所有しているのか確認します。

不動産の賃料相場

使用利益の金額を考えるため、 周辺の類似物件の賃料などを確認します。

過去の合意

無償で使用してよいという合意がなかったか、 家族間でどのような約束がされていたかを確認します。

税金・修繕費の負担状況

居住者が固定資産税や修繕費などを 多く負担していないか確認します。

使用料を請求された側が確認したいこと

請求額の根拠

相手がどのような賃料相場や計算方法をもとに 金額を決めているのか確認します。

請求期間

いつからいつまでの使用料を 請求されているのか確認します。

無償使用についての合意

これまで無償で住むことについて 共有者間で合意がなかったか確認します。

自分が負担してきた費用

  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 保険料
  • その他の維持管理費

などを自分が負担している場合には、 領収書や振込記録などを整理しておきましょう。

使用料問題は「家賃だけ」を見ない

共有不動産では、 ・使用利益
・固定資産税
・修繕費
・管理費
・これまでの合意 など複数の金銭関係が同時に存在することがあります。 それぞれを整理して考えることが重要です。

共有不動産に一人で住む場合に避けたいこと

「自分も所有者だから無料で住める」と決めつける

共有者であることと、 他の共有者の持分に対応する部分まで 無償で独占使用できるかは別の問題です。

請求された金額を確認せず支払う

請求額の根拠、 対象期間、 過去の合意などを確認してから判断しましょう。

他の共有者からの連絡を無視する

使用料問題を放置すると、 共有物分割など 共有状態そのものの解消を求められる可能性があります。

共有者同士で実力行使する

鍵の交換や無断立入りなどによって 問題を解決しようとすると、 別のトラブルへ発展する可能性があります。

共有不動産の使用料でよくある質問

Q. 共有名義の家に一人で住んでいるだけで家賃が発生しますか?

必ず一般の賃貸借と同じ家賃が自動的に発生するわけではありません。 ただし、一人の共有者が不動産全体を使用している場合には、 他の共有者との関係で使用利益に相当する金銭が問題になることがあります。

Q. 使用料は「家賃相場×相手の持分割合」ですか?

賃料相場と持分割合は一つの参考になりますが、 必ずその計算だけで金額が確定するわけではありません。 利用経緯、共有者間の合意、費用負担なども確認する必要があります。

Q. 親から「ずっと住んでいい」と言われていました

その約束の内容や法的性質、 相続後の共有者との関係などを確認する必要があります。 他の共有者から請求されたからといって、 直ちに請求どおりの使用料が発生するとは限りません。

Q. 固定資産税を全部払っていれば使用料は払わなくていいですか?

固定資産税を全額負担していることだけで、 使用料の問題が当然にすべてなくなるとは限りません。 使用料と固定資産税の負担は分けて整理し、 必要に応じて共有者間で精算を検討します。

Q. 修繕費を全部自分で払っています。それでも使用料を請求されますか?

修繕費を負担しているという事情だけで、 使用料の問題が当然になくなるとは限りません。 一方で、修繕の内容によっては 他の共有者との費用負担が問題になることがあります。 使用利益と修繕費をそれぞれ整理して確認することが重要です。

Q. 他の共有者から退去するよう言われたら出ていかないといけませんか?

居住している人自身も共有持分を所有している場合、 単に他の共有者から退去を求められただけで 直ちに退去義務が生じるとは限りません。 ただし、共有物の使用方法や共有状態そのものについて 争いになる可能性があります。

Q. 他の共有者が勝手に家へ入ってきても共有者だから問題ないですか?

共有持分を持っていることだけを理由として、 現在居住中の建物へどのような方法でも 自由に立ち入ってよいとは限りません。 使用関係について争いがある場合には、 実力行使ではなく法的な方法で整理することが重要です。

Q. 使用料でもめたら共有物分割請求されることはありますか?

あります。 使用料や利用方法について話し合いがまとまらず、 共有状態そのものを解消したい共有者から 共有物分割を求められる可能性があります。 協議で解決できなければ、 共有物分割請求訴訟へ進むこともあります。

Q. 一人で住み続けたい場合はどうすればいいですか?

他の共有者と使用料や費用負担について合意して 共有状態を続ける方法があります。 また、他の共有者の持分を買い取り、 単独所有を目指す方法もあります。 長期間住み続ける予定なら、 将来の相続まで含めて共有状態を整理することも重要です。

Q. 自分は住んでいません。居住している共有者へ使用料を請求できますか?

一人の共有者が共有不動産を単独で使用している場合には、 他の共有者との関係で使用利益に相当する金銭が 問題になることがあります。 ただし、過去の合意や使用開始の経緯などによって 具体的な請求の可否・範囲が異なる可能性があるため、 個別に確認する必要があります。

使用料を払い続けるか共有関係を解消するか迷っている方へ

現在の共有持分を売却した場合の価格を確認すると、 使用料を支払いながら保有する場合と 共有関係から離れる場合を比較しやすくなります。

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まとめ|一人で住んでいるから必ず「家賃」が発生するとは限らない

共有不動産に共有者の一人だけが住んでいる場合でも、 一般の賃貸借契約と同じ意味での家賃が 当然に自動発生するとは限りません。

一方で、 一人の共有者が不動産全体を事実上使用し、 他の共有者が利用できない状態になっている場合には、 他の共有者との関係で 使用利益に相当する金銭の支払いが問題になることがあります。

その金額についても、 単純に、

「市場家賃 × 他の共有者の持分割合」

だけで必ず決まるわけではありません。

具体的には、

  • 不動産の賃料相場
  • それぞれの持分割合
  • 一人で使用することになった経緯
  • 無償使用についての合意の有無
  • 固定資産税の負担
  • 修繕費・管理費などの負担

を確認することが重要です。

また、 使用料を請求された場合には、 相手から提示された金額だけを見て判断せず、 「いくら」「いつから」「どのような根拠で」 請求されているのか を確認しましょう。

反対に、 自分が住んでいない側で 使用料を請求したい場合にも、 これまでの利用経緯や共有者間の合意を 確認しておくことが重要です。

使用料だけでなく、 固定資産税や修繕費についても 共有者間で負担関係が問題になることがあります。

そのため、

  • 使用料はいくらにするのか
  • 固定資産税は誰が負担するのか
  • 修繕費はどう分けるのか
  • 今後も一人で住み続けるのか
  • 将来不動産を売却するのか

までまとめて整理すると、 同じ問題を繰り返しにくくなります。

今後も長期間住み続けたい場合には、 他の共有者の持分を買い取って 単独所有にする方法もあります。

一方、 共有者との関係が悪化していて 不動産を保有し続ける必要がない場合には、 自分の共有持分だけを売却して 共有関係から離れる方法もあります。

そして、 使用料や利用方法について 共有者同士でどうしても解決できない場合には、 共有物分割によって 共有状態そのものの解消が問題になることがあります。

共有不動産に一人で住んでいる場合は、 「共有者だから無料」「一人で住んでいるから必ず家賃」 と単純に判断せず、 使用経緯・持分割合・賃料相場・税金や修繕費の負担を整理し、 共有状態を今後も続けるのか、 持分買取・持分売却などによって解消するのかまで考えることが重要です。

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