共有者と連絡が取れない不動産は売却できる?持分だけ売る方法を解説

相続・共有トラブル

共有名義の不動産を売却したいものの、

「他の共有者と何年も連絡が取れない」
「住所も電話番号も分からない」

というケースがあります。

この場合、 不動産全体を売却するのか、 自分の共有持分だけを売却するのかによって 大きく違います。

不動産全体を売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

一方、 自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

そのため、 他の共有者と連絡が取れないからといって、 自分の共有持分まで絶対に売却できないわけではありません。

この記事では、 共有者と連絡が取れない場合の不動産売却、 持分だけを売る方法、 行方不明の場合との違い、 売却までの流れをわかりやすく解説します。

共有者と連絡が取れなくても自分の持分は売却できる?

原則として可能です。

自分が所有している共有持分は、 自分自身の所有権です。

たとえば、

  • 兄:1/2
  • 弟:1/2

で実家を共有しているものの、 兄と弟が10年以上連絡を取っていないとします。

兄が自分の1/2持分だけを第三者へ売却する場合、 原則として弟の同意を得る必要はありません。

一方、 弟が所有する1/2まで兄が勝手に売却することはできません。

ポイント

共有者と連絡が取れない場合は、 「不動産全体を売りたい」のか、 「自分の持分だけを売りたい」のか を分けて考えることが重要です。

不動産全体を売却する場合はどうなる?

共有不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

そのため、 共有者の一人と連絡が取れない場合には、 通常の売買をそのまま進めることが難しくなることがあります。

たとえば、

  • 売買契約
  • 本人確認
  • 所有権移転登記

などについて、 その共有者の協力が必要になるためです。

「連絡が取れない」と「行方不明」は同じ?

同じとは限りません。

単に、

  • 電話番号を知らない
  • 昔の住所しか知らない
  • 長年疎遠になっている
  • 連絡しても返事がない

という状態と、 実際に所在が分からない状態では、 必要な対応が異なる場合があります。

まず、 現在の住所や所在を確認できる可能性があるのかを整理します。

共有者の所在を確認する方法

不動産全体の売却などで共有者との連絡が必要な場合には、 現在の所在を確認する必要があります。

状況に応じて、 登記上の住所や戸籍・住民票関係の情報などから 所在を確認できる場合があります。

ただし、 戸籍や住民票等は誰でも自由に取得できるわけではありません。

取得できる立場や請求理由などに条件があるため、 必要に応じて司法書士・弁護士などへ相談します。

連絡が取れない共有者がいても持分だけなら売れる理由

自分の共有持分だけを売却する行為は、 自分が所有している権利を処分する行為だからです。

たとえば自分が1/3を所有しているなら、 その1/3持分について売却を検討できます。

他の共有者が、

  • 連絡に応じない
  • 売却に反対している
  • 疎遠になっている

という事情だけで、 当然に自分の共有持分を売却できなくなるわけではありません。

共有者と連絡が取れず困っている方へ

他の共有者との話し合いができない場合でも、 自分の共有持分だけなら売却できる可能性があります。

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共有者と仲が悪く連絡を取りたくない場合

「連絡先が分からない」のではなく、

「関係が悪いので自分から連絡したくない」

というケースもあります。

この場合も、 自分の共有持分だけを売却するのであれば、 原則として他の共有者の同意を取得する必要はありません。

ただし、 売却後には買主が新しい共有者になります。

そのため、 買主から他の共有者へ連絡する可能性があることは 理解しておきましょう。

連絡が取れない共有者がいる場合の選択肢

方法 特徴 主な注意点
共有者の所在を確認 全体売却等に向けて連絡を試みる 調査や手続きが必要な場合あり
他の共有者へ持分売却 連絡できる共有者へ自分の持分を売る 価格・購入意思の合意が必要
第三者へ持分売却 自分の持分だけを売却 買主が新しい共有者になる
専門業者へ持分売却 持分単独で相談 査定価格・条件の確認が重要
法的手続きを検討 所在不明等に応じた制度を検討 個別事情により手続きが異なる

自分の共有持分だけを売却する流れ

STEP1|登記を確認する

まず登記事項証明書で、 現在の共有者と自分の持分割合を確認します。

STEP2|不動産の利用状況を確認する

現在、

  • 誰かが住んでいる
  • 賃貸中
  • 空き家
  • 土地だけを利用している

などの状況を整理します。

STEP3|共有者との状況を伝える

査定時に、

  • いつから連絡が取れないのか
  • 現在の住所が分かるか
  • 他の共有者とは連絡が取れるか
  • 過去にトラブルがあったか

などを伝えます。

STEP4|共有持分単独の査定を受ける

不動産全体ではなく、 自分が所有している共有持分だけを売却した場合の 査定価格を確認します。

共有者と連絡が取れない事情も含めて、 現在の共有状態を前提に査定してもらうことが重要です。

STEP5|売却価格・条件を確認する

査定価格だけではなく、

  • 最終的な売買価格
  • 売主が負担する費用
  • 必要書類
  • 決済時期
  • 売却後の対応

なども確認します。

STEP6|売買契約・決済

価格・条件に納得できれば、 自分の共有持分について売買契約を締結します。

その後、 売買代金の決済と所有権移転登記を行い、 持分全部を売却すれば原則として共有関係から離れることになります。

持分が少なくても売却できる?

共有者と連絡が取れないうえに、 自分の持分割合が少ないケースもあります。

たとえば、

  • 10分の1
  • 20分の1
  • 100分の1
  • 全体の1%程度

などです。

このような少数持分でも、 自分が所有している共有持分であれば売却できる可能性があります。

ただし、 持分割合は査定価格へ影響する重要な要素です。

共有者数や利用状況、 権利関係なども含めて個別に査定する必要があります。

連絡が取れない共有者がいてもまず査定

共有者全員を集められない場合でも、 自分の共有持分だけなら売却できる可能性があります。

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共有者が死亡している場合は別の確認が必要

連絡が取れないと思っていた共有者が、 すでに亡くなっているケースもあります。

共有者が死亡すると、 その人が所有していた共有持分は 相続の対象になります。

そのため、 不動産全体を売却する場合には、 亡くなった共有者の相続人や相続登記の状況を確認する必要があります。

一方、 自分自身の共有持分だけを売却する場合には、 他の共有者が死亡しているという事情だけで 当然に自分の持分まで売却できなくなるわけではありません。

ただし、 共有関係や登記の状況は査定へ影響する可能性があるため、 死亡している可能性がある場合には査定時に伝えましょう。

共有者が海外にいる場合は?

共有者が海外へ移住していて、 日本国内の住所や電話番号が分からないケースもあります。

海外在住だからといって、 その人の共有持分がなくなるわけではありません。

不動産全体を売却する場合には、 海外在住の共有者についても 必要な本人確認や売却手続きを行う必要があります。

一方、 自分の共有持分だけを売却するのであれば、 原則として海外在住の共有者から 売却同意を取得する必要はありません。

共有者と連絡が取れない状態を放置するとどうなる?

相続によって共有者が増える可能性がある

共有者の一人が亡くなれば、 その持分が複数の相続人へ引き継がれることがあります。

その結果、 現在よりさらに共有者が増える可能性があります。

不動産全体の売却が難しくなる可能性がある

共有者が増えるほど、 不動産全体を売却するときに 協力を求める相手も増えます。

その中に連絡が取れない共有者がいれば、 全体売却を進めることが難しくなる場合があります。

管理・修繕の話し合いが難しくなる

不動産を保有し続ければ、 修繕や管理について判断が必要になることがあります。

共有者と連絡が取れない状態では、 こうした話し合いも複雑になる可能性があります。

権利関係がさらに複雑になる可能性がある

相続登記が長期間行われないまま相続が繰り返されると、 現在の権利者を確認するために 多くの相続関係を調査しなければならないケースがあります。

注意点

「今は特に困っていないから」と 共有状態を長期間放置すると、 ・相続人が増える
・連絡先がさらに分からなくなる
・全体売却が難しくなる
・権利関係が複雑になる 可能性があります。 将来利用する予定がない場合には、 早めに共有関係をどうするか考えておくことが重要です。

不動産全体を売りたい場合の主な対応

自分の持分だけではなく、 不動産全体を売却したい場合には、 連絡が取れない共有者の問題を解決する必要があります。

STEP1|登記上の住所を確認

まず登記事項証明書で、 現在登記されている住所を確認します。

STEP2|所在確認を検討

必要に応じて、 取得可能な公的資料などから 現在の所在を確認する方法を検討します。

STEP3|死亡していないか確認

共有者が死亡している場合には、 相続人や相続登記の状況を確認する必要があります。

STEP4|所在不明なら利用できる制度を確認

調査しても所在が分からない場合には、 具体的な状況に応じて利用できる法的制度があるか確認します。

この場合は、 弁護士・司法書士などへ相談して 適切な手続きを確認することが重要です。

「連絡が取れない」ときに避けたいこと

他の共有者の持分まで勝手に売却する

自分の共有持分は売却できますが、 連絡が取れない共有者の持分まで 自分の判断だけで売却することはできません。

共有者の署名や印鑑を勝手に使用する

不動産全体の売却を進めたいからといって、 本人の承諾なく署名・押印を行うことはできません。

何年も放置する

時間が経過すると、 相続によって権利関係がさらに複雑になる可能性があります。

自分の持分まで売れないと思い込む

不動産全体を売却できないことと、 自分の共有持分を売却できないことは別です。

全体売却が難しい場合でも、 持分単独売却という選択肢があります。

共有者と連絡が取れない場合によくある質問

Q. 兄弟と10年以上連絡が取れません。自分の持分だけ売れますか?

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。 ただし、登記や権利関係について個別に確認が必要な場合があります。

Q. 共有者の住所が分からないと不動産全体は売れませんか?

不動産全体の売却には原則として共有者全員の協力が必要です。 そのため、まず共有者の所在を確認する必要があります。 所在が確認できない場合には、状況に応じた法的手続きの検討が必要になることがあります。

Q. 連絡が取れない共有者の持分を自分が勝手に売れますか?

できません。 自分が処分できるのは原則として自分が所有している共有持分です。 他の共有者の持分を本人の意思なく勝手に売却することはできません。

Q. 共有者が行方不明かどうか分かりません

まず登記上の住所や現在把握している情報を整理し、 所在を確認できる可能性があるか検討します。 単に疎遠な状態と所在不明では必要な対応が異なる場合があります。

Q. 共有者が死亡していたらどうなりますか?

死亡した共有者の持分は相続の対象になります。 不動産全体を売却する場合には、 相続人や相続登記の状況を確認する必要があります。

Q. 共有者と連絡を取らずに査定だけできますか?

自分の共有持分について査定を相談する段階で、 必ず他の共有者全員から売却同意を取得しなければならないわけではありません。 まず現在分かる範囲の情報から持分価格を確認できる場合があります。

共有者と連絡が取れなくても持分を整理

不動産全体の売却が難しい場合でも、 自分の共有持分だけなら売却できる可能性があります。

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まとめ|連絡が取れなくても自分の共有持分は売却できる可能性がある

共有者と連絡が取れない場合には、 まず、

「不動産全体を売却したいのか」 「自分の共有持分だけを売却したいのか」

を分けて考えることが重要です。

不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

そのため、 共有者の一人と連絡が取れない場合には、 所在確認や状況に応じた手続きが必要になることがあります。

一方、 自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

つまり、 共有者と連絡が取れないからといって、 自分の持分まで必ず保有し続けなければならないわけではありません。

また、 共有状態を長期間放置すると、 相続によって共有者が増え、 現在より権利関係が複雑になる可能性があります。

今後その不動産を利用する予定がない場合には、 現在の登記・持分割合・共有状況を確認し、 全体売却を目指すのか、 自分の共有持分だけを売却して共有関係から離れるのかを比較して判断すること が重要です。

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