相続人が多い共有不動産は売却できる?共有者が何人いても持分だけ売れるのか解説

相続・共有トラブル

相続が何度も繰り返された不動産では、 共有者が10人、20人、 場合によっては数十人以上になっているケースがあります。

また、 自分が所有している持分が、

  • 10分の1
  • 20分の1
  • 100分の1
  • 全体の1%程度

しかないケースもあります。

このような場合、

「共有者全員を集めないと売却できない?」
「こんな少ない持分でも売れる?」

と疑問に思う方も多いでしょう。

結論からいうと、 不動産全体を売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

一方、 自分が所有している共有持分だけであれば、 共有者が何十人いても原則として他の共有者の同意なく売却できます。

また、 持分割合が小さいという理由だけで 当然に売却できなくなるわけではありません。

この記事では、 相続人・共有者が多い不動産の売却方法、 少数持分の売却、 所在不明者・死亡者がいる場合の対応、 共有関係を整理する方法まで解説します。

  1. 共有者が多くても不動産は売却できる?
  2. 自分の持分だけなら共有者全員の同意は不要
  3. 共有者が多いと全体売却が難しくなりやすい理由
    1. 全員の連絡先を確認する必要がある
    2. 全員の売却条件を合わせる必要がある
    3. 死亡している共有者がいる場合がある
    4. 所在不明の共有者がいる場合がある
    5. 相続登記が何世代もされていない場合がある
  4. 共有者が多くなる主な原因は相続
  5. 少数持分でも売却できる?
    1. 共有者多数・少数持分でもまず査定
  6. 少数持分の価格が低くなりやすい理由
  7. 共有者が100人近くいても持分売却は可能?
  8. 共有者全員を自分で調べないと査定できない?
  9. 共有者が多い不動産で考えられる4つの整理方法
    1. ① 共有者全員で不動産全体を売却する
    2. ② 他の共有者へ自分の持分を売却する
    3. ③ 自分の共有持分だけを第三者へ売却する
    4. ④ 共有物分割を検討する
  10. 4つの方法を比較
  11. 共有者が死亡している場合
  12. 共有者の一部が行方不明の場合
  13. 共有者の一部が海外在住・外国籍の場合
    1. 共有者が多すぎて全体売却が進まない方へ
  14. 共有者が多い持分を売却する流れ
  15. 共有者が多い状態を放置するとどうなる?
    1. 相続によってさらに共有者が増える
    2. 一人あたりの持分が細分化される
    3. 全体売却の調整がさらに難しくなる
    4. 所在不明者が増える可能性がある
    5. 相続関係の調査が複雑になる
  16. 共有者が多い場合に避けたいこと
    1. 全員の同意が必要だから何もできないと思い込む
    2. 他の共有者の持分まで勝手に売却する
    3. 持分が少ないから価値がないと決めつける
    4. 相続登記を放置する
  17. 共有者が多い不動産でよくある質問
    1. 多数共有・少数持分でも売却可能性を確認
  18. まとめ|共有者が多くても自分の持分だけなら売却できる可能性がある

共有者が多くても不動産は売却できる?

共有者が多いこと自体を理由に、 不動産を売却できなくなるわけではありません。

ただし、 不動産全体を売却する場合と、 自分の共有持分だけを売却する場合では大きく異なります。

不動産全体を通常の売買で第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

そのため、 共有者が50人いれば、 現在の権利関係を確認し、 原則として50人全員について 売却手続きを進める必要があります。

自分の持分だけなら共有者全員の同意は不要

自分がすでに所有している共有持分だけを売却する場合には、 原則として他の共有者全員の同意は必要ありません。

たとえば、

  • A:1/100
  • その他99/100:多数の共有者

という不動産でも、 Aは自分が所有している1/100持分について 売却を検討できます。

他の共有者全員から、

「Aの1/100持分を売ってもいい」

という承諾書を集めなければならないわけではありません。

ポイント

共有者が多いときほど、 「不動産全体を売る」 のか、 「自分の共有持分だけを売る」 のかを分けて考えることが重要です。

共有者が多いと全体売却が難しくなりやすい理由

全員の連絡先を確認する必要がある

共有者が多数いる場合、 現在の住所や連絡先を把握していない人が 含まれることがあります。

全員の売却条件を合わせる必要がある

売却価格や売却時期について、

  • 賛成する人
  • 反対する人
  • もっと高く売りたい人
  • 不動産を残したい人

が出てくる可能性があります。

死亡している共有者がいる場合がある

古い共有不動産では、 登記上の共有者がすでに死亡しているケースがあります。

この場合には、 その人の相続人を確認し、 必要な相続登記を行う必要があります。

所在不明の共有者がいる場合がある

何十年も共有状態が続いていると、

  • 転居先が分からない
  • 海外へ移住した
  • 親族も連絡先を知らない
  • 生死が分からない

共有者が含まれる場合があります。

相続登記が何世代もされていない場合がある

登記名義人が明治・大正・昭和の時代の人のまま、 相続登記が長期間行われていない不動産もあります。

その場合、 現在の権利者を確認するために 複数世代の相続関係を調査する必要があります。

共有者が多くなる主な原因は相続

共有者が数十人になる大きな原因の一つが、 相続の繰り返しです。

たとえば、 最初は、

  • 兄:1/2
  • 弟:1/2

だったとしても、 兄が死亡して子3人が相続し、 弟が死亡して子4人が相続すれば、 共有者は7人になります。

その後、 その7人についてさらに相続が発生すれば、 共有者はさらに増える可能性があります。

このように、 共有状態を何世代も放置すると、 共有者が雪だるま式に増えていくことがあります。

少数持分でも売却できる?

持分割合が少ない場合でも、 売却できる可能性があります。

たとえば、

  • 1/10
  • 1/30
  • 1/100
  • 1%

などの共有持分です。

自分が所有している権利であれば、 持分割合が小さいという理由だけで 当然に売却できなくなるわけではありません。

ただし、 持分割合が小さいほど査定価格に影響する可能性 があります。

共有者多数・少数持分でもまず査定

共有者が何十人いる場合や、 持分が1%程度しかない場合でも、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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少数持分の価格が低くなりやすい理由

たとえば、 不動産全体の市場価格が5,000万円で、 自分の持分が1/100なら、 単純按分額は50万円です。

しかし、 共有持分単独の売却価格が 必ず50万円になるとは限りません。

持分だけを取得した買主は、 不動産全体を自由に利用・売却できるわけではないためです。

特に、

  • 持分割合が非常に小さい
  • 共有者が多数いる
  • 共有者と連絡が取れない
  • 相続登記未了の共有者がいる
  • 権利関係が複雑

場合には、 市場性や解決に必要な手続きなどが 査定へ影響する可能性があります。

共有者が100人近くいても持分売却は可能?

共有者が非常に多い場合でも、 自分自身の共有持分だけであれば、 原則として売却を検討できます。

自分の持分だけを売却するために、 他の共有者全員から同意を取得する必要は原則ありません。

そのため、

  • 共有者が50人いる
  • 共有者が80人以上いる
  • 一部の共有者と面識がない
  • 共有者の中に死亡者がいる
  • 海外在住者がいる

といったケースでも、 自分の持分単独で売却できる可能性があります。

ただし、 共有者数や権利関係は査定に影響する可能性があるため、 分かる範囲で現在の共有状況を伝えることが重要です。

共有者全員を自分で調べないと査定できない?

必ずしも、 査定を依頼する前に自分で共有者全員の 現在住所や連絡先まで調べなければならないわけではありません。

まず、

  • 不動産の所在地
  • 自分の持分割合
  • 分かる範囲の共有者数
  • 現在の利用状況
  • 相続登記未了の有無

などを整理して相談します。

登記事項証明書などから確認できる情報もあるため、 最初からすべての事情を把握できていなくても 相談できる場合があります。

共有者が多い場合のポイント

「共有者全員を調べ終わるまで何もできない」 とは限りません。 自分の共有持分だけを売却したい場合には、 まず現在分かる範囲の情報から 売却可能性と査定価格を確認する方法があります。

共有者が多い不動産で考えられる4つの整理方法

① 共有者全員で不動産全体を売却する

共有者全員が売却に合意できるのであれば、 不動産全体を第三者へ売却する方法があります。

全体として売却できれば、 持分単独売却とは市場性や価格条件が異なります。

ただし、 共有者が多いほど全員の意思確認や 必要書類の準備に時間がかかる可能性があります。

② 他の共有者へ自分の持分を売却する

他の共有者に購入意思があれば、 自分の共有持分を買い取ってもらう方法があります。

この方法なら、 新しい第三者を共有関係へ入れずに 自分が共有関係から離れられます。

③ 自分の共有持分だけを第三者へ売却する

共有者全員との調整が難しい場合には、 自分の共有持分だけを売却する方法があります。

自分の持分全部を売却すれば、 原則として自分は共有関係から離れることになります。

④ 共有物分割を検討する

共有状態そのものを解消したい場合には、 共有物分割を検討することがあります。

まず共有者間で協議し、 話し合いで解決できない場合には、 裁判所での共有物分割請求へ進む可能性があります。

4つの方法を比較

方法 メリット 注意点
不動産全体を売却 共有状態を全体として解消できる 原則として共有者全員の協力が必要
他共有者へ持分売却 第三者を共有関係へ入れずに済む 購入意思・価格の合意が必要
持分だけ第三者へ売却 自分だけ共有関係から離れられる 買主が新しい共有者になる
共有物分割 共有状態の解消を目指せる 協議・裁判等が必要になる場合あり

共有者が死亡している場合

共有者が多数いる不動産では、 登記上の共有者の一部がすでに死亡していることがあります。

死亡した共有者の持分は、 原則として相続の対象になります。

そのため、 不動産全体を売却する場合には、

  • 死亡した共有者の相続人
  • 数次相続の有無
  • 相続登記の状況
  • 現在の権利者

などを確認する必要があります。

一方、 他の共有者が死亡しているという事情だけで、 自分自身がすでに所有している共有持分まで 当然に売却できなくなるわけではありません。

共有者の一部が行方不明の場合

共有者が多くなるほど、 現在の所在が分からない人が含まれる可能性も高くなります。

不動産全体を通常の方法で売却する場合には、 所在不明者の問題を整理する必要があります。

一方、 自分の共有持分だけを売却する場合には、 原則として所在不明の共有者から 売却同意を取得する必要はありません。

共有者の一部が海外在住・外国籍の場合

共有者が多数いる場合には、 海外へ移住している人や 外国籍の共有者が含まれているケースもあります。

不動産全体を売却する場合には、 海外在住者についても 必要な本人確認・意思確認・登記手続きを行う必要があります。

国籍や居住国によって、 住所証明や署名証明などの 必要書類が異なる場合があります。

一方、 自分の持分だけを売却する場合には、 原則として海外在住・外国籍の他共有者の 売却同意は必要ありません。

共有者が多すぎて全体売却が進まない方へ

全員をまとめるのが難しい場合でも、 自分の共有持分だけを売却して 共有関係から離れられる可能性があります。

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共有者が多い持分を売却する流れ

STEP1|登記事項証明書を確認

まず現在の登記を確認して、 自分の持分割合と登記上の共有者を把握します。

STEP2|分かる範囲で共有状況を整理

  • 共有者は何人程度いるか
  • 死亡している共有者がいるか
  • 所在不明者がいるか
  • 海外在住者がいるか
  • 相続登記未了の共有者がいるか

などを整理します。

STEP3|自分の共有持分を査定

不動産全体ではなく、 現在の複雑な共有状態を前提として 自分の共有持分だけの査定価格を確認します。

STEP4|価格・条件を確認

査定額だけでなく、

  • 最終的な売買価格
  • 必要書類
  • 決済時期
  • 売主負担の費用
  • 売却後の対応

まで確認します。

STEP5|売買契約・決済

価格・条件に納得できれば売買契約を締結し、 売買代金の決済と所有権移転登記を行います。

自分の持分全部を売却すれば、 原則として共有関係から離れることになります。

共有者が多い状態を放置するとどうなる?

相続によってさらに共有者が増える

共有者の一人が死亡すると、 その持分が複数の相続人へ承継される可能性があります。

その結果、 現在50人の共有者が 将来さらに増えることも考えられます。

一人あたりの持分が細分化される

相続が繰り返されることで、

  • 1/10
  • 1/30
  • 1/100
  • 1/500

など、 非常に細かい持分になる場合があります。

全体売却の調整がさらに難しくなる

共有者が増えれば、 不動産全体を売却するときに 意思確認・契約・登記へ協力してもらう人数も増えます。

所在不明者が増える可能性がある

世代が変わるほど、 共有者同士が互いの住所や連絡先を 把握していないケースも増えます。

相続関係の調査が複雑になる

相続登記がされないまま数世代経過すると、 現在の権利者を確認するために 大量の戸籍関係書類が必要になることがあります。

共有者が多いほど早めの整理が重要

共有者が多い状態を放置すると、 ・共有者がさらに増える
・持分が細分化する
・所在不明者が出る
・相続登記が複雑になる
・全体売却が難しくなる 可能性があります。 自分が今後利用する予定のない持分なら、 早い段階で整理方法を検討することが重要です。

共有者が多い場合に避けたいこと

全員の同意が必要だから何もできないと思い込む

不動産全体を売却する場合には 原則として共有者全員の協力が必要ですが、 自分の共有持分だけの売却は別です。

他の共有者の持分まで勝手に売却する

自分の持分は原則として処分できますが、 他の共有者が所有する持分まで 本人の意思なく処分することはできません。

持分が少ないから価値がないと決めつける

持分割合が小さい場合でも、 売却できる可能性があります。

まず実際の共有状況を前提として 査定価格を確認しましょう。

相続登記を放置する

相続登記を長期間放置すると、 数次相続によって権利関係がさらに複雑になる可能性があります。

共有者が多い不動産でよくある質問

Q. 共有者が50人いても自分の持分だけ売れますか?

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者全員の同意なく売却できます。 共有者が多いという理由だけで、 当然に自分の持分を売却できなくなるわけではありません。

Q. 持分が1%しかなくても売れますか?

持分割合が小さい場合でも売却できる可能性があります。 ただし、持分割合や共有者数、利用状況、権利関係などは 査定価格へ影響する可能性があります。

Q. 共有者全員の連絡先が分からなくても査定できますか?

自分の共有持分について査定を相談する段階で、 必ず他の共有者全員の現在住所や連絡先まで 把握していなければならないとは限りません。 まず現在分かる範囲の情報から相談できます。

Q. 死亡している共有者がいても自分の持分だけ売れますか?

自分自身がすでに登記上所有している共有持分であれば、 他の共有者が死亡しているという事情だけで 当然に売却できなくなるわけではありません。 ただし、共有状況は査定条件へ影響する可能性があります。

Q. 不動産全体を売るには本当に全員の協力が必要ですか?

通常の売買によって共有不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。 所在不明者などがいる場合には、 状況に応じて利用できる法的制度があるか確認することになります。

Q. 共有者が多すぎる場合は共有物分割できますか?

共有者は原則として共有物分割を求めることができます。 ただし、具体的な解決方法は不動産の状況や共有関係によって異なり、 協議でまとまらなければ裁判所での手続きへ進む可能性があります。

多数共有・少数持分でも売却可能性を確認

共有者が数十人いる、 持分が1%以下などのケースでも、 まず自分の持分だけの査定価格を確認できます。

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まとめ|共有者が多くても自分の持分だけなら売却できる可能性がある

相続人・共有者が多数いる不動産でも、 売却できないとは限りません。

重要なのは、 「不動産全体を売却する場合」と 「自分の共有持分だけを売却する場合」を分けて考えること です。

通常の方法で不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

そのため、 共有者が数十人いる場合には、

  • 現在の共有者を確認する
  • 死亡している共有者の相続人を確認する
  • 所在不明者を確認する
  • 海外在住・外国籍の共有者を確認する
  • 相続登記未了の持分を整理する
  • 共有者全員の売却意思を確認する

など、 多くの手続きや調整が必要になる可能性があります。

一方、 自分が所有している共有持分だけであれば、 共有者が何十人いても、 原則として他の共有者全員の同意なく売却できます。

また、

  • 持分が10分の1
  • 持分が100分の1
  • 持分が1%程度
  • 共有者が数十人いる

といった事情だけで、 当然に売却できなくなるわけではありません。

ただし、 共有者数や持分割合、 相続登記、 所在不明者、 不動産の利用状況などは 査定価格へ影響する可能性があります。

また、 共有状態を長期間放置すると、 相続によって共有者がさらに増え、 持分も細分化していく可能性があります。

共有者が多く権利関係が複雑な不動産ほど、 まず現在の登記と自分の持分割合を確認し、 不動産全体の売却を目指すのか、 自分の共有持分だけを売却して共有関係から離れるのかを 早めに比較することが重要です。

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