遺産分割協議がまとまらない不動産は売却できる?相続人が反対する場合の対処法を解説

相続・共有トラブル

親が亡くなり、 実家や土地などを兄弟で相続することになったものの、 遺産分割協議がまとまらない というケースがあります。

たとえば、

  • 長男は不動産を売却したい
  • 次男は実家を残したい
  • 長女はもっと高く売れると言っている

という状態です。

この場合、

「多数決で売却を決められる?」
「自分の相続分だけ先に売れる?」
「一人が遺産分割協議に応じなければどうする?」
「話し合いがまとまらなければ裁判になる?」

と疑問に思うでしょう。

結論からいうと、 遺産分割が終わっていない相続不動産と、 遺産分割後に共有登記された不動産では、 考え方を分ける必要があります。

遺産分割前は、 相続財産としての権利関係を整理しながら 遺産分割を進める必要があります。

一方、 遺産分割が成立して 各相続人の共有持分が確定した後であれば、 自分の共有持分だけを売却できるケースがあります。

この記事では、 遺産分割協議がまとまらない不動産について、 相続人が売却に反対する場合、 価格で意見が合わない場合、 連絡を無視される場合、 遺産分割調停・審判、 共有持分を売却する方法まで解説します。

  1. 遺産分割協議とは?
  2. 遺産分割協議は多数決で決められる?
  3. 相続人の一人が売却に反対している場合
  4. 実家を残したい相続人がいる場合
  5. 売却して現金で分ける方法
  6. 不動産をそのまま共有する方法
    1. 相続後の共有状態を長引かせたくない方へ
  7. 遺産分割前に自分の法定相続分だけ売れる?
  8. 遺産分割協議書に署名してくれない場合
  9. 不動産の価格で意見が合わない場合
  10. 一人が「もっと高く売れる」と売却を拒否する場合
  11. 相続人が話し合いを無視する場合
  12. 相続人の所在が分からない場合
  13. 相続人が海外にいる場合
    1. 相続人が多い・連絡が難しい不動産でもご相談できます
  14. 話し合いで解決できない場合は遺産分割調停へ
  15. 遺産分割調停では何を話し合う?
  16. 調停でもまとまらなかったら?
  17. 遺産分割調停にかかる期間は?
  18. 遺産分割が終わるまで固定資産税はどうする?
  19. 遺産分割協議中に不動産が値下がりすることもある
  20. 遺産分割後に共有になった場合
  21. 自分の共有持分だけ売却する方法
  22. 共有状態を解消する共有物分割という方法
  23. 遺産分割協議がまとまらない場合の対処の流れ
    1. 遺産分割後の共有持分を整理したい方へ
  24. 遺産分割協議がまとまらないときに避けたいこと
    1. 多数決で勝手に決める
    2. 相続人を一人外して協議する
    3. 感情だけで不動産価格を決める
    4. 空き家を放置する
    5. とりあえず共有にして問題を先送りする
  25. 遺産分割協議がまとまらない不動産でよくある質問
    1. 遺産分割後の共有持分を現金化
  26. まとめ|遺産分割前と共有持分確定後を分けて考える

遺産分割協議とは?

遺産分割協議とは、 亡くなった人が残した財産を 相続人の間でどのように分けるのかを 話し合う手続きです。

遺産には、

  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • その他の財産

などが含まれることがあります。

遺言などによって分け方が決まっていない場合には、 相続人同士で協議して 誰が何を取得するのか決めることになります。

遺産分割協議は多数決で決められる?

遺産分割協議は、 単純な多数決で成立させるものではありません。

たとえば、 相続人が3人いて、

  • A:売却したい
  • B:売却したい
  • C:売却したくない

という場合でも、

「3人中2人が売却に賛成だから、 Cを無視して遺産分割を決定する」

ということはできません。

遺産分割協議を成立させるためには、 原則として相続人全員による合意が必要です。

「2対1だから決定」ではない

遺産分割協議は、 共有物の管理について行う 持分多数決とは別の問題です。 相続人の一人が反対している場合には、 その人を除外して 遺産分割協議を成立させることはできません。

相続人の一人が売却に反対している場合

遺産分割協議でよくあるのが、 不動産を売却するかどうかについて 意見が分かれるケースです。

たとえば、

  • A:売却して現金で分けたい
  • B:売却して現金で分けたい
  • C:実家なので残したい

という状態です。

この場合には、 単純にCへ売却を強制するのではなく、

  • Cが不動産を取得する
  • CがA・Bへ代償金を支払う
  • 不動産を売却して代金を分ける
  • その他の遺産と組み合わせて分ける

などの方法を比較します。

実家を残したい相続人がいる場合

一人の相続人が、

「生まれ育った家だから売りたくない」

と考えることがあります。

その場合には、 その相続人が不動産を取得し、 他の相続人へ 代償金を支払う方法を検討できます。

これを一般に 代償分割 といいます。

ただし、 不動産を取得する相続人に 代償金を支払えるだけの資力が必要になります。

売却して現金で分ける方法

不動産そのものを分けにくい場合には、 不動産を売却して現金化し、 売却代金を分ける方法があります。

これを一般に 換価分割 といいます。

現物の不動産を共有し続ける必要がないため、 相続後の共有トラブルを避けやすい方法の一つです。

ただし、 実際に売却を進めるためには、 売却方法・価格・費用負担などについて 必要な合意を整える必要があります。

不動産をそのまま共有する方法

相続人複数人で、 不動産を共有取得する方法もあります。

たとえば、 兄弟3人がそれぞれ1/3ずつ取得する方法です。

一見すると公平に見えますが、 共有後は、

  • 売却
  • 賃貸
  • 修繕
  • 固定資産税
  • 使用方法

などについて 共有者同士で調整が必要になります。

また、 共有者の一人が亡くなると、 その持分について次の相続が発生し、 共有者が増える可能性があります。

相続後の共有状態を長引かせたくない方へ

すでに共有持分を取得している場合には、 自分の持分だけを売却した場合の価格も確認できます。

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遺産分割前に自分の法定相続分だけ売れる?

ここは、 共有持分の売却と混同しやすいポイントです。

遺産分割前の相続財産について、

「自分は法定相続分1/3だから、 実家の1/3だけ普通の共有持分と同じように売ろう」

と単純に考えることは避ける必要があります。

遺産分割前の相続財産では、 遺産全体についての相続関係と 個々の財産についての権利関係を 適切に整理する必要があります。

一方、 遺産分割が成立し、 不動産について自分の共有持分が確定して 必要な登記が整った後であれば、 その共有持分だけを売却できるケースがあります。

遺産分割協議書に署名してくれない場合

相続人の一人が、 遺産分割の内容に納得せず、 遺産分割協議書へ署名・押印してくれないことがあります。

この場合、 その人を除外して 協議書を完成させることはできません。

まず、

  • 何に反対しているのか
  • 不動産評価額に不満があるのか
  • 取得する財産の内容に不満があるのか
  • 代償金の金額に不満があるのか

を整理します。

争点が明確になれば、 解決方法も検討しやすくなります。

不動産の価格で意見が合わない場合

遺産分割では、 不動産をいくらと評価するかについて 相続人同士でもめることがあります。

たとえば、

  • A:3,000万円程度だと思っている
  • B:4,000万円以上の価値があると考えている

というケースです。

特に代償分割では、 不動産の評価額によって 他の相続人へ支払う代償金も変わるため、 価格について対立しやすくなります。

この場合には、 不動産会社による査定など、 客観的な資料を集めて 現在の市場価格を確認する方法があります。

ただし、 不動産の評価方法は目的によって異なる場合があるため、 争いが大きい場合には 専門家へ確認することも重要です。

一人が「もっと高く売れる」と売却を拒否する場合

相続人全員が売却そのものには賛成していても、 売却価格について意見が合わないケースがあります。

たとえば、 3,500万円の購入申込みが入っているのに、 一人だけ、

「4,000万円になるまで絶対に売らない」

と反対するケースです。

この場合には、

  • 周辺の成約事例
  • 現在の売出期間
  • 問い合わせ件数
  • 内覧件数
  • 物件の状態
  • 今後発生する維持費

などを確認し、 希望価格だけではなく 実際に売却できる可能性がある価格を検討します。

「査定価格」と「必ず売れる価格」は同じではない

不動産会社の査定額が4,000万円でも、 必ず4,000万円で売却できるとは限りません。 遺産分割で価格について対立している場合には、 ・査定額
・周辺成約事例
・実際の購入申込み
・売却に必要な期間 などを分けて確認することが重要です。

相続人が話し合いを無視する場合

相続人の一人が、

  • 電話に出ない
  • LINEを無視する
  • 手紙に返事をしない
  • 遺産分割の話を拒否する

というケースもあります。

相手が話し合いに参加しないからといって、 残りの相続人だけで 遺産分割協議を成立させることはできません。

まずは、 相手の現在の住所などを確認し、 書面による連絡も含めて 協議を試みます。

それでも話し合いが進まない場合には、 家庭裁判所での遺産分割調停を 検討することがあります。

相続人の所在が分からない場合

長期間交流がなく、 相続人の現在の住所すら分からないケースがあります。

この場合には、 戸籍・戸籍の附票など、 利用できる公的資料を確認しながら 所在を調査することがあります。

それでも所在不明の場合には、 具体的な状況に応じて、 不在者財産管理人などの制度を 検討するケースがあります。

単に、

「連絡が取れないから相続人から外す」

ということはできません。

相続人が海外にいる場合

相続人が海外に住んでいる場合でも、 遺産分割協議を行うことは可能です。

ただし、 日本国内に住んでいる相続人とは 必要書類が異なる場合があります。

たとえば、 印鑑証明書を取得できない場合には、 署名証明などを利用することがあります。

居住国や国籍、 具体的な手続きによって必要書類が異なるため、 司法書士などへ早めに確認することが重要です。

相続人が多い・連絡が難しい不動産でもご相談できます

すでに自分の共有持分が確定している場合には、 共有持分だけを売却した場合の価格も確認できます。

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話し合いで解決できない場合は遺産分割調停へ

相続人同士で遺産分割について 合意できない場合には、 家庭裁判所へ 遺産分割調停を申し立てる方法があります。

調停では、 裁判官と調停委員が関与し、 相続人それぞれの事情や主張を確認しながら 合意による解決を目指します。

調停だからといって、 裁判所が最初から一方的に 分け方を決定するわけではありません。

まずは、 当事者間で合意できるよう 話し合いを進めます。

遺産分割調停では何を話し合う?

具体的な事案によって異なりますが、

  • 相続人の範囲
  • 遺産の範囲
  • 不動産の評価
  • 誰が不動産を取得するか
  • 代償金をいくらにするか
  • 不動産を売却するか
  • その他の遺産をどう分けるか

などが問題になることがあります。

調停でもまとまらなかったら?

遺産分割調停で合意できない場合には、 原則として遺産分割審判へ移行し、 家庭裁判所が具体的な事情を踏まえて 分割方法を判断することになります。

そのため、

「一人が永遠に反対し続ければ、 遺産分割は絶対にできない」

というわけではありません。

ただし、 調停・審判へ進むと、 解決までに時間や費用がかかる可能性があります。

遺産分割調停にかかる期間は?

遺産分割調停の期間は、 相続人の人数や争点、 不動産評価についての対立などによって異なります。

そのため、

「必ず○か月で終わる」

と一律にはいえません。

特に、

  • 相続人が多い
  • 不動産が複数ある
  • 不動産評価でもめている
  • 特別受益・寄与分などにも争いがある

場合には、 長期化する可能性があります。

遺産分割が終わるまで固定資産税はどうする?

遺産分割協議が長引いていても、 不動産には固定資産税などの負担が発生します。

また、 空き家であれば、

  • 庭木の管理
  • 建物の修繕
  • 火災保険
  • 水道・電気などの維持費

が発生することもあります。

誰か一人が立て替えている場合には、 支払った金額や領収書を記録しておき、 後の遺産分割や精算に備えることが重要です。

遺産分割協議中に不動産が値下がりすることもある

話し合いが長期間まとまらない間に、 不動産市場や建物の状態が変化する可能性があります。

特に空き家の場合には、 管理されない期間が長くなることで、

  • 雨漏り
  • 設備の劣化
  • 庭木の繁茂
  • 害虫・害獣
  • 近隣トラブル

などが発生する可能性があります。

売却するかどうかでもめている間も、 不動産の管理を放置しないことが重要です。

遺産分割後に共有になった場合

遺産分割の結果、 兄弟など複数の相続人が 不動産を共有することがあります。

たとえば、

  • A:1/3
  • B:1/3
  • C:1/3

という状態です。

ここまで進むと、 遺産分割前とは異なり、 各共有者の不動産持分が具体的に確定します。

不動産全体を通常売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要ですが、 自分の共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

自分の共有持分だけ売却する方法

遺産分割後に共有状態となり、

  • 他の共有者が全体売却に反対する
  • 共有者と関わりたくない
  • 固定資産税を負担したくない
  • 将来の相続でさらに複雑になる前に整理したい

場合には、 自分の共有持分だけを第三者へ売却する方法があります。

ただし、 共有持分単独の売却価格は、 不動産全体の市場価格に 単純に持分割合を掛けた金額と 同じになるとは限りません。

遺産分割「前」と「後」を分けて考える

遺産分割前
→ 相続財産全体について遺産分割を進める 遺産分割後に共有持分が確定
→ 自分の共有持分だけを売却できる場合がある この違いを整理することが重要です。

共有状態を解消する共有物分割という方法

遺産分割後に共有状態となったものの、 共有者同士で、

  • 不動産全体の売却
  • 持分の買取り
  • 使用方法

などについて合意できない場合には、 共有物分割によって 共有状態そのものの解消を求める方法があります。

まず共有者間で協議し、 解決できない場合には 共有物分割請求訴訟へ進むことがあります。

遺産分割協議がまとまらない場合の対処の流れ

STEP1|相続人を確定する

戸籍関係書類などを確認し、 遺産分割に参加すべき相続人を確定します。

STEP2|遺産・不動産を確認する

預貯金・不動産など、 分割対象となる遺産を整理します。

STEP3|不動産価格を確認する

査定などを利用して、 不動産の市場価格の目安を確認します。

STEP4|分割方法を比較する

  • 一人が不動産を取得する
  • 売却して現金で分ける
  • 共有で取得する

などの方法を比較します。

STEP5|相続人全員で協議する

各相続人の希望と、 具体的な分割条件について話し合います。

STEP6|まとまらなければ調停を検討

当事者間だけで合意できない場合には、 家庭裁判所の遺産分割調停を検討します。

STEP7|遺産分割後に登記を整理

遺産分割が成立したら、 その内容に応じて相続登記などを行います。

STEP8|共有になった場合は今後の方針を決める

共有状態となった場合には、

  • 共有を続ける
  • 全体を売却する
  • 共有者間で持分を売買する
  • 自分の持分を第三者へ売却する
  • 共有物分割を検討する

などから方針を決めます。

遺産分割後の共有持分を整理したい方へ

他の共有者が全体売却に反対している場合でも、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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遺産分割協議がまとまらないときに避けたいこと

多数決で勝手に決める

遺産分割協議は、 相続人の人数による多数決で 成立させるものではありません。

相続人の一人が反対している場合に、 残りの相続人だけで 遺産分割協議を成立させることはできません。

相続人を一人外して協議する

連絡が取れない、 関係が悪いなどの理由で、 相続人の一人を除外して 遺産分割協議を進めることはできません。

まず、 遺産分割に参加すべき相続人を 正確に確認することが重要です。

感情だけで不動産価格を決める

「思い出のある実家だから5,000万円の価値がある」

と考えていても、 実際の市場価格が同じとは限りません。

反対に、

「古い家だからほとんど価値がない」

と思っていても、 土地に高い価値があるケースもあります。

査定や周辺の成約事例などを確認して、 客観的な価格を把握しましょう。

空き家を放置する

遺産分割がまとまらないからといって、 不動産の管理まで放置するのは避けましょう。

協議中でも、

  • 固定資産税
  • 建物の劣化
  • 庭木・雑草
  • 火災・防犯
  • 近隣への影響

などの問題は発生します。

とりあえず共有にして問題を先送りする

遺産分割がまとまらないからという理由だけで、

「とりあえず兄弟全員の共有にしておこう」

とすると、 将来別の共有トラブルが発生する可能性があります。

共有にする場合には、

  • 誰が使用するのか
  • 固定資産税をどう負担するのか
  • 修繕費をどう負担するのか
  • 将来いつ売却するのか

なども考えておくことが重要です。

「とりあえず共有」は将来の問題を増やすこともある

兄弟3人で共有した後、 それぞれに相続が発生すると、 3人 → 5人 → 8人 → 10人以上 のように共有者が増える可能性があります。 共有者が増えるほど、 将来の全体売却や管理について 調整する相手も増えていきます。

遺産分割協議がまとまらない不動産でよくある質問

Q. 相続人3人のうち2人が売却に賛成しています。多数決で売れますか?

遺産分割協議は、 相続人の人数による多数決で成立するものではありません。 遺産分割協議を成立させるためには、 原則として相続人全員の合意が必要です。 話し合いでまとまらない場合には、 遺産分割調停などを検討します。

Q. 一人が遺産分割協議書に署名してくれません

その相続人を除外して 遺産分割協議書を完成させることはできません。 まず何について意見が合わないのかを確認し、 不動産価格・分割方法・代償金などの争点を整理します。 協議で解決できなければ、 家庭裁判所での遺産分割調停を検討します。

Q. 相続人が話し合いを完全に無視しています

残りの相続人だけで 遺産分割協議を成立させることはできません。 書面による連絡なども含めて協議を試み、 当事者間で解決できない場合には 遺産分割調停を利用する方法があります。

Q. 相続人の住所が分かりません。無視して進められますか?

所在が分からないという理由だけで、 その相続人を除外することはできません。 戸籍・戸籍の附票などを利用して所在を確認し、 それでも所在不明の場合には、 具体的な状況に応じて 不在者財産管理人などの制度を検討することがあります。

Q. 実家を売りたくない相続人がいる場合はどうすればいいですか?

その相続人が不動産を取得し、 他の相続人へ代償金を支払う代償分割などを検討できます。 代償金を用意できない場合には、 不動産の売却やその他の遺産との組み合わせなど、 別の分割方法も比較します。

Q. 不動産を売却して現金で分けることはできますか?

不動産を売却して現金化し、 その代金を分ける換価分割という方法があります。 ただし、遺産分割の内容や売却方法などについて 必要な合意を整えたうえで進めることが重要です。

Q. 遺産分割前に自分の法定相続分だけ売却できますか?

遺産分割前の相続財産について、 法定相続分だけを通常の共有持分と同じものとして 単純に売却できると考えるのは適切ではありません。 遺産全体についての相続関係や権利関係を整理する必要があります。 遺産分割後に自分の不動産持分が確定した場合には、 その共有持分だけを売却できるケースがあります。

Q. 遺産分割調停でも合意できなかったらどうなりますか?

遺産分割調停が不成立となった場合には、 原則として遺産分割審判へ移行し、 家庭裁判所が具体的な事情を踏まえて 分割方法を判断することになります。

Q. 遺産分割後に兄弟3人の共有になりました。自分だけ抜けられますか?

遺産分割によって自分の共有持分が確定した後であれば、 他の共有者へ自分の持分を売却する方法や、 第三者へ自分の共有持分だけを売却する方法があります。 また、共有状態そのものを解消したい場合には、 共有物分割を検討する方法もあります。

Q. 自分の共有持分だけ売る場合、兄弟の許可は必要ですか?

遺産分割が成立し、 自分が所有する共有持分が確定している場合には、 原則として自分の共有持分だけを売却するために 他の共有者の同意は必要ありません。 ただし、不動産全体を売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

Q. 共有持分だけ売ると不動産全体の3分の1の価格で売れますか?

必ずしもそうではありません。 不動産全体の市場価格が3,000万円で 持分が1/3だからといって、 共有持分単独を必ず1,000万円で売却できるとは限りません。 共有持分だけを取得する買主の利用・処分には制約があるため、 持分単独としての市場性などが価格へ影響します。

遺産分割後の共有持分を現金化

兄弟・親族との共有を続けたくない場合には、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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まとめ|遺産分割前と共有持分確定後を分けて考える

遺産分割協議がまとまらない不動産では、 まず現在が「遺産分割前」なのか、 「遺産分割後に共有状態となっている」のかを 分けて考えることが重要です。

遺産分割前であれば、 相続人全員で 遺産をどのように分けるのかを協議します。

遺産分割協議は、

「3人中2人が賛成したから成立」

という多数決ではありません。

原則として、 相続人全員による合意が必要です。

不動産について意見が分かれている場合には、

  • 一人が不動産を取得する現物分割
  • 取得者が他の相続人へ代償金を支払う代償分割
  • 不動産を売却して現金で分ける換価分割
  • 複数人で共有する方法

などを比較します。

ただし、 安易に共有状態にすると、 将来、

  • 不動産を売りたい人
  • 保有したい人
  • 住みたい人
  • 固定資産税を払いたくない人

などで意見が分かり、 新しい共有トラブルにつながる可能性があります。

また、 共有者の一人が亡くなるたびに その持分について相続が発生し、 共有者が増えていく可能性もあります。

当事者間で遺産分割について どうしても合意できない場合には、 家庭裁判所へ 遺産分割調停を申し立てる方法があります。

調停でも合意できなければ、 原則として審判へ移行し、 裁判所が分割方法を判断することになります。

一方、 遺産分割がすでに成立し、 不動産について自分の共有持分が確定している場合には、 状況が変わります。

不動産全体を通常売却するには 原則として共有者全員の協力が必要ですが、 自分の共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

そのため、

  • 兄弟が全体売却に反対している
  • 共有者と今後関わりたくない
  • 固定資産税・修繕費を負担し続けたくない
  • 次の相続が起きる前に整理したい

という場合には、 共有持分の売却も選択肢になります。

ただし、 共有持分単独の売却価格は、 不動産全体の市場価格に 単純に持分割合を掛けた金額とは限りません。

遺産分割協議がまとまらない場合は、 相続人の範囲・遺産・不動産価格・各相続人の希望を整理し、 遺産分割前であれば協議・調停・審判による解決を検討し、 遺産分割後に共有持分が確定している場合には、 全体売却だけでなく共有者間の持分売買・第三者への持分売却・共有物分割まで含めて 解決方法を比較することが重要です。

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