共有不動産の賃貸借契約を解除できる?共有者が反対する場合と入居者を退去させる方法を解説

相続・共有トラブル

兄弟や親族で共有しているアパート・マンション・貸家について、

「不動産を売りたいので賃貸借契約を終了させたい」

と考えることがあります。

しかし、 他の共有者から、

「家賃収入があるから賃貸を続けたい」

と反対されるケースがあります。

また、 共有者全員が契約を終了させたいと思っていても、 入居者から、

「退去するつもりはありません」

と言われることもあります。

ここで重要なのは、

  • 共有者間で賃貸借契約の終了を決められるか
  • 入居者との関係で実際に契約を終了できるか

は別の問題だということです。

結論からいうと、 共有者側が「退去してほしい」と考えただけで、 入居者との賃貸借契約を自由に終了できるとは限りません。

特に建物賃貸借では、 借地借家法による借主保護も関係します。

この記事では、 共有不動産の賃貸借契約を終了する場合の共有者間の決め方、 入居者へ退去を求める場合、 共有者が反対する場合、 売却したい場合の解決方法まで解説します。

  1. 共有不動産の賃貸借契約は一人で解除できる?
  2. 共有者間の決定と入居者への解除は別問題
  3. 普通借家契約の場合は簡単に退去させられない
  4. 「売却したい」は正当事由になる?
  5. 入居者がいる状態で売却する方法
  6. 定期借家契約なら期間満了で退去してもらえる?
    1. 入居者がいて売却方法に困っている方へ
  7. 家賃滞納がある場合は解除できる?
  8. 家賃滞納があっても勝手に鍵を交換してはいけない
  9. 共有者の一人が契約解除に反対している場合
  10. 50%ずつの共有で意見が分かれた場合
  11. 入居者と合意して退去してもらう方法
  12. 立退料を払えば必ず退去してもらえる?
  13. 建物が老朽化している場合は?
  14. 共有者が勝手に入居者へ解約通知を出した場合
  15. 勝手に賃貸された物件の契約を終了したい場合
    1. 賃貸を続けるか売却するか共有者と合わない方へ
  16. 退去させずに不動産全体を売却する方法
  17. 入居者がいる状態で共有持分だけ売却できる?
  18. 持分を売却したら入居者はどうなる?
  19. 共有者が不動産全体の売却にも反対している場合
  20. 共有物分割によって共有状態を解消する
  21. 賃貸借契約を終了したい場合の流れ
  22. 賃貸借契約の解除・退去で避けたいこと
    1. 入居者へ突然退去を迫る
    2. 鍵を勝手に交換する
    3. 荷物を勝手に処分する
    4. 共有者の意向を確認せず解除通知する
    5. 契約書を確認せず「更新しない」と通知する
    6. 退去問題を抱えた共有持分も査定できます
  23. 共有不動産の賃貸借契約解除でよくある質問
    1. 入居者がいる共有不動産でも持分売却を検討
  24. まとめ|「共有者側の決定」と「入居者との契約終了」を分けて考える

共有不動産の賃貸借契約は一人で解除できる?

共有不動産について、 共有者の一人が、

「自分も所有者だから契約を解除する」

と単独で自由に決められるとは限りません。

賃貸借契約の解除・終了については、 共有物の管理に関する意思決定や 現在の契約内容などを確認する必要があります。

まず、

  • 共有者と持分割合
  • 賃貸借契約の種類
  • 契約期間
  • 解除・更新に関する条項
  • 解除を求める理由

を確認しましょう。

共有者間の決定と入居者への解除は別問題

仮に共有者側で、

「賃貸を終了させよう」

という方針を適切に決められたとしても、 それだけで入居者との契約が 当然に終了するわけではありません。

つまり、

① 共有者側で契約終了について意思決定できるか

と、

② 入居者との関係で契約を終了させられるか

を分けて考える必要があります。

ここが重要

共有者全員が、 「この家を売りたいから入居者に出てもらおう」 と考えても、 それだけで入居者を 自由に退去させられるとは限りません。 所有者側の意思決定と、 賃貸借契約の終了要件は別です。

普通借家契約の場合は簡単に退去させられない

建物の普通賃貸借契約では、 貸主側から更新を拒絶したり 解約を申し入れたりする場合に、 借地借家法上の制約が問題になります。

単に、

  • 不動産を売却したい
  • もっと高く貸したい
  • 自分で使いたい

という貸主側の事情だけで、 必ず契約を終了できるとは限りません。

貸主・借主双方が建物を必要とする事情や、 これまでの経緯、 建物の利用状況、 立退料の申出など、 複数の事情を踏まえて 正当事由が問題になります。

「売却したい」は正当事由になる?

共有者全員が不動産を売却したい場合、

「売却したいから退去してください」

と入居者へ求めるケースがあります。

しかし、 不動産を売却したいという事情だけで、 当然に十分な正当事由になるとは限りません。

具体的な事情を総合的に確認する必要があります。

また、 入居者がいる状態でも、 収益不動産として売却できるケースがあります。

そのため、

「売却するためには必ず先に入居者を退去させなければならない」

とも限りません。

入居者がいる状態で売却する方法

賃貸中の不動産については、 入居者との賃貸借関係を維持したまま、 収益不動産として売却する方法があります。

この場合、 買主が賃貸人の地位を承継することが問題になります。

売却前には、

  • 賃貸借契約書
  • 現在の賃料
  • 敷金等
  • 滞納の有無
  • 更新時期
  • 管理会社

などを整理しておくことが重要です。

定期借家契約なら期間満了で退去してもらえる?

定期建物賃貸借では、 適法に契約が成立している場合、 原則として契約期間の満了によって終了します。

ただし、 定期借家契約として有効に成立するためには、 法令上必要な手続きがあります。

また、 契約期間が1年以上の場合には、 期間満了による終了について 通知に関するルールもあります。

そのため、 契約書に、

「定期借家」

と書いてあることだけで判断せず、 契約締結時の手続きも含めて確認することが重要です。

入居者がいて売却方法に困っている方へ

不動産全体の売却が難しい場合でも、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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家賃滞納がある場合は解除できる?

入居者が家賃を滞納している場合には、 賃貸借契約の解除が問題になることがあります。

ただし、 家賃の支払いが一度遅れただけで 必ず直ちに解除できるとは限りません。

賃貸借契約では、 当事者間の信頼関係が破壊されたと評価できるかが 重要になる場合があります。

そのため、

  • 滞納期間
  • 滞納額
  • 支払い状況
  • 催告の有無
  • これまでの経緯

などを確認する必要があります。

家賃滞納があっても勝手に鍵を交換してはいけない

家賃を長期間滞納している場合でも、 貸主側が勝手に鍵を交換したり、 入居者の荷物を処分したりして 強制的に退去させることは避けるべきです。

任意の退去に応じない場合には、 必要に応じて建物明渡請求など 適切な法的手続きを検討します。

共有者の一人が契約解除に反対している場合

共有者の中で、

  • A:契約を終了して売却したい
  • B:家賃収入を得たいので賃貸を続けたい

と意見が分かれることがあります。

この場合には、 まずそれぞれの持分割合と 賃貸借契約の内容を確認します。

また、 契約終了が共有物の管理に関する事項として どのように意思決定されるのかを確認する必要があります。

一方で、 共有者間で契約終了について決定できたとしても、 それだけで入居者との賃貸借契約を 自由に終了できるわけではありません。

共有者間の意思決定と、 入居者に対する契約終了の要件を それぞれ確認することが重要です。

50%ずつの共有で意見が分かれた場合

兄弟・元夫婦などでは、

  • A:50%・賃貸終了希望
  • B:50%・賃貸継続希望

というケースがあります。

共有物の管理について 持分価格の過半数による意思決定が必要な事項では、 50%の共有者一人だけでは 過半数に達しません。

そのため、 一方だけの判断で契約終了を進められるかについては 慎重に確認する必要があります。

賃貸経営を続けるか、 売却するかという根本的な方針について 共有者間で対立しているのであれば、 賃貸借契約だけではなく 共有状態そのものの整理も検討します。

入居者と合意して退去してもらう方法

法的に一方的な契約終了が難しい場合でも、 入居者と話し合い、 双方が合意して賃貸借契約を終了する方法があります。

いわゆる合意解約です。

この場合には、

  • 退去日
  • 賃料の最終支払日
  • 原状回復
  • 敷金の精算
  • 残置物
  • 立退料を支払う場合の金額・時期

などを明確にします。

後から認識の違いが生じないよう、 合意内容は書面にしておくことが重要です。

立退料を払えば必ず退去してもらえる?

貸主側から契約終了を求める場合、 立退料の申出が 正当事由を補完する事情として問題になることがあります。

しかし、

「立退料を払えば必ず退去させられる」

という仕組みではありません。

正当事由については、

  • 貸主が建物を必要とする事情
  • 借主が建物を必要とする事情
  • 賃貸借に関する従前の経過
  • 建物の利用状況・現況
  • 財産上の給付の申出

などを踏まえて判断されます。

具体的な立退交渉を行う場合には、 弁護士などへ相談しながら進めることも検討しましょう。

立退料だけで決まるわけではない

「100万円払えば退去させられる」 など、 法律で一律の立退料が決まっているわけではありません。 物件・契約・貸主側と借主側の事情などによって 個別に検討する必要があります。

建物が老朽化している場合は?

築年数が古く、 大規模な修繕や建替えを検討している場合には、 建物の老朽化も 契約終了を検討する事情の一つになることがあります。

ただし、

「旧耐震だから退去してもらえる」
「築50年だから正当事由がある」

と一律に判断できるわけではありません。

建物の具体的な状態や安全性、 修繕・建替えの必要性、 貸主・借主双方の事情などを確認する必要があります。

共有者が勝手に入居者へ解約通知を出した場合

一人の共有者が、 他の共有者へ相談せず、 入居者へ解約通知を送ってしまうことがあります。

この場合には、

  • 誰が通知したのか
  • その共有者の持分割合
  • どのような権限があったのか
  • 通知内容
  • 解約理由
  • 現在の賃貸借契約

などを確認します。

通知を出したという事実だけで、 必ず契約終了の効果が生じるとは限りません。

勝手に賃貸された物件の契約を終了したい場合

そもそも他の共有者が、 自分に相談せず第三者へ貸していたケースもあります。

この場合には、 単純に通常の契約解除だけを考えるのではなく、 最初に、

  • 誰が賃貸借契約を締結したか
  • 契約した共有者の持分割合
  • 契約期間
  • 契約内容
  • 賃料

などを確認する必要があります。

賃貸を続けるか売却するか共有者と合わない方へ

入居者がいる状態でも、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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退去させずに不動産全体を売却する方法

入居者との契約を終了できない場合でも、 共有者全員が売却に合意できれば、 賃貸中の状態で不動産全体を売却できるケースがあります。

いわゆるオーナーチェンジ物件として 売却する方法です。

この場合には、

  • 現在の賃料
  • 年間家賃収入
  • 賃貸借契約
  • 敷金等
  • 滞納状況
  • 管理費・修繕費
  • 管理会社

などが、 買主の判断材料になります。

入居者がいる状態で共有持分だけ売却できる?

不動産全体を売却するのではなく、 自分の共有持分だけを売却する方法もあります。

自分が所有する共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

また、 入居者がいるという理由だけで 共有持分の売却が当然にできなくなるわけではありません。

ただし、 査定では、

  • 賃貸借契約の内容
  • 現在の賃料
  • 契約期間
  • 入居者の状況
  • 家賃収入
  • 持分割合

などが確認されることがあります。

持分を売却したら入居者はどうなる?

自分の共有持分を第三者へ売却しても、 それだけを理由として 入居者が当然に退去するわけではありません。

持分の買主が新しい共有者となり、 既存の賃貸借関係については 契約内容や権利関係を確認する必要があります。

そのため、

「持分を売れば賃貸借契約も自動的になくなる」

とは考えないようにしましょう。

共有者が不動産全体の売却にも反対している場合

一方の共有者は、

「入居者に退去してもらって売却したい」

と考えていても、 他の共有者は、

「家賃収入があるから保有を続けたい」

と考えることがあります。

この場合、 共有者全員の協力が得られなければ、 通常の方法で不動産全体を売却することは難しくなります。

その場合には、

  • 他の共有者へ自分の持分を売却する
  • 他の共有者の持分を買い取る
  • 自分の持分だけ第三者へ売却する
  • 共有物分割を検討する

などの方法があります。

共有物分割によって共有状態を解消する

賃貸を続けるか、 不動産を売却するかについて 共有者同士でどうしても合意できない場合には、 共有物分割によって 共有状態そのものを解消する方法があります。

まず共有者間で協議し、 解決できなければ 共有物分割請求訴訟へ進むことがあります。

賃貸借契約を終了したい場合の流れ

STEP1|賃貸借契約書を確認

まず、

  • 普通借家か定期借家か
  • 契約期間
  • 更新条件
  • 解約条項

などを確認します。

STEP2|共有者と持分割合を確認

登記事項証明書で 現在の共有者と持分割合を確認します。

STEP3|契約を終了したい理由を整理

  • 売却したい
  • 建替えたい
  • 自分で使用したい
  • 家賃滞納がある

など、 契約終了を求める理由を整理します。

STEP4|共有者間で方針を確認

賃貸を終了するのか、 賃貸を続けたまま売却するのかなど、 共有者間で方針を整理します。

STEP5|入居者との協議・法的要件を確認

合意による退去を目指すのか、 契約内容に基づいて終了するのか、 法的手続きが必要なのかを確認します。

STEP6|売却方法も比較

入居者の退去が難しい場合には、

  • 賃貸中のまま不動産全体を売却する
  • 自分の共有持分だけ売却する

という方法も比較します。

「退去させてから売る」だけが売却方法ではない

入居者がいる場合でも、 ・オーナーチェンジで全体売却
・自分の共有持分だけ売却 という方法があります。 売却を希望しているからといって、 無理に賃貸借契約を終了させることだけを 考える必要はありません。

賃貸借契約の解除・退去で避けたいこと

入居者へ突然退去を迫る

所有者側が売却したいという理由だけで、 当然に即時退去を求められるとは限りません。

鍵を勝手に交換する

入居者が使用している建物について、 貸主側が一方的に鍵を交換することは避けるべきです。

荷物を勝手に処分する

家賃滞納などがあっても、 入居者の荷物を貸主側が勝手に処分すると 別のトラブルにつながる可能性があります。

共有者の意向を確認せず解除通知する

共有不動産では、 入居者との関係だけでなく、 共有者間での意思決定も確認する必要があります。

契約書を確認せず「更新しない」と通知する

普通借家と定期借家では、 契約終了についての考え方が異なります。

まず現在の契約内容を確認しましょう。

退去問題を抱えた共有持分も査定できます

入居者との契約や共有者との意見対立がある状態でも、 共有持分を売却した場合の価格を確認できます。

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共有不動産の賃貸借契約解除でよくある質問

Q. 自分も共有者なら一人で入居者との契約を解除できますか?

共有者であるという理由だけで、 常に一人で自由に賃貸借契約を解除できるとは限りません。 共有者間で必要な意思決定と、 入居者との契約終了要件の両方を確認する必要があります。

Q. 共有者全員が退去を希望すれば入居者を出せますか?

共有者全員が契約終了を希望している場合でも、 それだけで入居者を自由に退去させられるとは限りません。 普通借家契約では、 貸主側からの更新拒絶や解約申入れについて 正当事由など借地借家法上の要件が問題になります。

Q. 不動産を売却したいという理由で退去してもらえますか?

不動産を売却したいという貸主側の事情だけで、 当然に入居者へ退去を求められるとは限りません。 貸主・借主双方が建物を必要とする事情や、 賃貸借の従前の経過、 建物の利用状況、 立退料の申出などを含めて 正当事由が判断されます。

Q. 立退料を払えば必ず退去してもらえますか?

立退料を提示したという理由だけで、 必ず賃貸借契約を終了できるわけではありません。 財産上の給付の申出は正当事由を補完する事情の一つとして 考慮されることがありますが、 具体的な金額や必要性は個別の事情によって異なります。

Q. 家賃を滞納していたらすぐ契約解除できますか?

一度家賃の支払いが遅れただけで、 必ず直ちに契約解除できるとは限りません。 滞納期間・滞納額・催告の有無・これまでの支払状況などを踏まえ、 当事者間の信頼関係が破壊されたと評価できるかなどが 問題になる場合があります。

Q. 定期借家なら契約期間が終われば必ず終了しますか?

適法に成立した定期建物賃貸借であれば、 原則として期間満了により終了します。 ただし、定期建物賃貸借として成立するための要件や、 契約期間が1年以上の場合の終了通知など、 必要な手続きを確認する必要があります。

Q. 入居者がいる状態でも不動産全体を売却できますか?

共有者全員が売却に協力できるのであれば、 入居者との賃貸借関係を維持したまま 収益不動産として売却できるケースがあります。 その場合には、 賃貸借契約・敷金等・賃料・滞納状況など 買主へ引き継ぐ内容を整理する必要があります。

Q. 他の共有者が売却に反対しています。自分の持分だけ売れますか?

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく第三者へ売却できます。 入居者がいる状態でも持分売却を検討できますが、 現在の賃貸借契約や収益状況などは 査定価格に影響する可能性があります。

Q. 自分の共有持分を売ったら賃貸借契約も終了しますか?

共有持分を売却したという理由だけで、 既存の賃貸借契約が当然に終了するわけではありません。 持分の買主が新しい共有者となるため、 既存の賃貸借関係については 契約内容や権利関係を確認する必要があります。

Q. 共有者が勝手に入居者へ解約通知を出してしまいました

まず通知内容、 通知した共有者の持分割合や権限、 現在の賃貸借契約、 解約理由などを確認します。 通知を出したという事実だけで、 当然に賃貸借契約が終了するとは限りません。

Q. 賃貸を続けたい共有者と売却したい共有者で意見が合いません

まず現在の持分割合、 賃貸借契約、 不動産全体の価格や収益状況を確認します。 そのうえで、 共有者間の持分売買、 不動産全体の売却、 自分の持分だけの売却などを比較します。 任意の話し合いで共有状態を解消できない場合には、 共有物分割を検討する方法もあります。

入居者がいる共有不動産でも持分売却を検討

退去交渉や共有者全員による売却が難しい場合でも、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認できます。

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まとめ|「共有者側の決定」と「入居者との契約終了」を分けて考える

共有不動産の賃貸借契約を終了したい場合に 最も重要なのは、 共有者間の意思決定と、 入居者との賃貸借契約の終了要件を 分けて考えることです。

共有者側で、

「全員で不動産を売却したい」

と考えているからといって、 入居者との契約を 当然に自由に終了できるわけではありません。

特に普通借家契約では、 貸主側から更新を拒絶したり 解約を申し入れたりする場合に、 借地借家法上の正当事由などが問題になります。

正当事由については、

  • 貸主が建物を必要とする事情
  • 借主が建物を必要とする事情
  • 賃貸借に関する従前の経過
  • 建物の利用状況・現況
  • 立退料など財産上の給付の申出

などを踏まえて判断されます。

そのため、

「売却したいから退去してほしい」
「立退料を払うから必ず出てもらえる」

と単純に考えることはできません。

また、 家賃滞納がある場合でも、 一度支払いが遅れただけで 必ず即時解除できるとは限りません。

滞納期間・金額・催告・これまでの経緯などを確認し、 具体的な状況に応じて対応する必要があります。

一方、 定期建物賃貸借では、 適法に契約が成立していれば 原則として契約期間満了によって終了します。

ただし、 定期借家として成立するための要件や 終了通知などの手続きも確認する必要があります。

そして、 不動産を売却するために、 必ず入居者を先に退去させなければならないわけではありません。

共有者全員が売却に協力できるのであれば、 入居者との賃貸借関係を維持したまま 収益不動産として売却できるケースがあります。

反対に、 他の共有者が不動産全体の売却に反対している場合には、 自分が所有している共有持分だけを 第三者へ売却する方法もあります。

自分の共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

また、

  • 賃貸を続けるかでもめている
  • 不動産全体の売却にも合意できない
  • 持分の売買にも応じてもらえない

という場合には、 共有物分割によって 共有状態そのものを解消する方法も検討できます。

共有不動産の賃貸借契約を終了したい場合は、 入居者へすぐ退去を求めるのではなく、 現在の持分割合・賃貸借契約・契約の種類・契約終了の理由を確認し、 退去交渉だけでなく、 賃貸中のままの全体売却・共有持分だけの売却・共有物分割まで含めて 解決方法を比較することが重要です。

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