相続登記を放置するとどうなる?共有者が増えるリスクと不動産を売却する方法を解説

相続・共有トラブル

親や祖父母が亡くなった後も、 不動産の名義を変更せず、 何年・何十年もそのままにしているケースがあります。

たとえば、 登記事項証明書を確認すると、

「所有者が30年前に亡くなった祖父のまま」

というケースです。

家族としては、

「誰も使っていないから問題ない」
「売るときに登記すればいい」

と考えてしまうことがあります。

しかし、 相続登記を長期間放置すると、 その間に次の相続が発生し、 相続人・共有者が増えて権利関係が複雑になる可能性があります。

また、 2024年4月1日から 相続登記は義務化されています。

正当な理由なく 相続登記の申請義務に違反した場合には、 10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

この記事では、 相続登記を放置するとどうなるのか、 共有者が増える仕組み、 相続登記義務化、 昔の名義のままの不動産を売却する方法、 共有持分を整理する方法まで解説します。

  1. 相続登記とは?
  2. 2024年4月から相続登記が義務化
  3. 義務化前に発生した相続も対象?
  4. 相続登記をしないと過料になる?
  5. 相続登記を放置すると一番怖いのは「次の相続」
  6. 共有者が増える仕組みを具体例で確認
  7. 相続人が増えると何が大変になる?
  8. 明治・大正・昭和から名義が変わっていない不動産もある
    1. 相続登記が長期間未了の不動産でもご相談できます
  9. 相続登記をしていない不動産は売却できる?
  10. 相続登記未了の不動産を売却する流れ
  11. 相続人が多すぎて遺産分割がまとまらない場合
  12. 相続人の一人と連絡が取れない場合
  13. 遺産分割がまとまる前に法定相続分で登記すればいい?
  14. 相続人申告登記とは?
  15. 相続登記を放置していても固定資産税はなくならない
  16. 空き家を放置すると建物も劣化する
    1. 相続登記未了・相続人多数でも売却方法を確認
  17. 相続登記後に共有状態になった場合
  18. 共有者が多くても自分の共有持分は売却できる?
  19. 持分が数十分の1でも売却できる?
  20. 共有者全員で売却できるなら全体売却も検討
  21. 共有者が売却に反対している場合
  22. 相続登記を放置した不動産を整理する流れ
    1. 何世代も相続登記していない不動産でもご相談できます
  23. 相続登記を放置した場合に避けたいこと
    1. 「売るときに登記すればいい」と放置する
    2. 固定資産税を払っている人が所有者だと思い込む
    3. 家族内の認識だけで相続人を判断する
    4. 相続人申告登記だけで相続手続きが終わったと思う
    5. 空き家・土地の管理まで放置する
  24. 相続登記の放置でよくある質問
    1. 少数持分・相続人多数でも査定できます
  25. 相続登記を放置するリスクを一覧で確認
  26. まとめ|相続登記の放置は次の世代ほど複雑になる

相続登記とは?

相続登記とは、 不動産の所有者が亡くなった場合に、 相続によって所有権を取得した人へ 登記名義を変更する手続きです。

たとえば、 父名義の土地・建物を 長男が相続した場合には、

父 → 長男

へ所有権の登記を変更します。

兄弟で共有相続した場合には、 それぞれの持分を登記することがあります。

2024年4月から相続登記が義務化

2024年4月1日から、 相続登記の申請が義務化されました。

原則として、 相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から 3年以内に 相続登記を申請する必要があります。

また、 遺産分割が成立した場合には、 その内容によって不動産を取得したことを知った日から 原則として3年以内に その内容に沿った登記を申請する必要があります。

相続登記は「いつかやればいい」ではない

2024年4月1日以降、 相続登記は義務になっています。 原則として、 不動産を相続したことを知った日から3年以内 に申請する必要があります。

義務化前に発生した相続も対象?

相続登記義務化より前に発生した相続についても、 相続登記が未了であれば 義務化の対象になります。

つまり、

「父が2010年に亡くなったから関係ない」

というわけではありません。

2024年4月1日より前の相続については、 原則として2027年3月31日までに 相続登記を行う必要があります。

ただし、 相続による取得を知った日が 2024年4月1日より後である場合などには、 期限の考え方が異なることがあります。

相続登記をしないと過料になる?

正当な理由なく 相続登記の申請義務に違反した場合には、 10万円以下の過料 の対象になる可能性があります。

ただし、 期限を過ぎた瞬間に 自動的に10万円を支払うという仕組みではありません。

また、

  • 相続人が非常に多い
  • 必要な資料を集めることが困難
  • 相続人の所在が分からない

など、 正当な理由の有無について 個別に判断される場合があります。

いずれにしても、 放置せず早めに手続きを進めることが重要です。

相続登記を放置すると一番怖いのは「次の相続」

相続登記を放置した場合に 実務上大きな問題になりやすいのが、 数次相続です。

数次相続とは、 最初の相続について遺産分割などが終わらないうちに、 相続人の一人が亡くなり、 さらに次の相続が発生する状態です。

これによって、 不動産の権利関係が 一気に複雑になることがあります。

共有者が増える仕組みを具体例で確認

たとえば、 父が亡くなり、

  • 長男
  • 次男
  • 長女

の3人が相続人だったとします。

この段階で相続関係を整理せず 長期間放置します。

その後、 長男が亡くなり、 長男に、

  • 妻
  • 子ども2人

がいた場合には、 長男側について さらに相続が発生します。

次男・長女についても 同じように相続が発生すれば、 関係する人数が さらに増える可能性があります。

3人だった相続人が10人以上になることも

相続登記を長期間放置すると、 祖父母
↓
子ども世代
↓
孫世代
↓
ひ孫世代 と相続が続き、 関係する相続人が多数になる可能性があります。 人数が増えるほど、 不動産売却のための権利関係整理も 複雑になりやすくなります。

相続人が増えると何が大変になる?

関係する相続人が増えると、

  • 全員の戸籍を確認する
  • 現在の住所を確認する
  • 全員へ連絡する
  • 遺産分割について話し合う
  • 必要書類をそろえる

といった作業が増えていきます。

中には、

  • 一度も会ったことがない親族
  • 海外在住者
  • 住所が分からない人
  • 遺産分割に反対する人

が含まれることもあります。

明治・大正・昭和から名義が変わっていない不動産もある

土地によっては、 非常に古い時代の所有者名義が そのまま残っているケースがあります。

特に、

  • 山林
  • 農地
  • 道路持分
  • 地方の土地
  • 利用していない土地

などでは、 何世代にもわたって 相続登記がされていない場合があります。

このような不動産を売却する場合には、 過去の相続関係をたどり、 現在の権利者を整理する必要があります。

相続登記が長期間未了の不動産でもご相談できます

共有者・相続人が多い場合でも、 現在の権利関係を確認しながら 売却方法を検討できます。

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相続登記をしていない不動産は売却できる?

亡くなった人の名義のままでは、 通常の売買による所有権移転登記をそのまま行うことはできません。

売却する場合には、 まず相続関係を整理し、 現在の権利者へ必要な相続登記を行ったうえで、 買主への所有権移転登記を進めるのが基本です。

ただし、 相続登記がまだ終わっていない段階でも、

  • 不動産の査定
  • 売却方法の相談
  • 相続関係の確認

などを先に進めることはできます。

「相続登記が終わっていないから、 不動産会社にも相談できない」

というわけではありません。

相続登記未了の不動産を売却する流れ

STEP1|登記事項証明書を確認する

まず、 現在誰の名義になっているのかを確認します。

同時に、

  • 共有持分
  • 抵当権
  • 差押え
  • その他の権利

なども確認します。

STEP2|相続の発生状況を整理する

登記名義人がいつ亡くなったのか、 その後さらに相続が発生していないかを確認します。

何世代も登記を放置している場合には、 複数回の相続が発生している可能性があります。

STEP3|現在の相続人を確認する

戸籍関係書類などを確認し、 現在手続きに関係する相続人を整理します。

数次相続が発生している場合には、 最初の相続人だけではなく、 その後の相続人まで確認する必要があります。

STEP4|遺言・遺産分割の有無を確認する

過去に遺言書があったのか、 遺産分割協議が成立していたのかなどを確認します。

すでに遺産分割協議書などが存在する場合には、 その内容も重要になります。

STEP5|必要な遺産分割を行う

不動産の取得者が決まっていない場合には、 必要に応じて相続人間で 遺産分割を行います。

相続人が多数いる場合には、 全員の確認・連絡に時間がかかる可能性があります。

STEP6|相続登記を行う

相続関係・遺産分割の内容に基づき、 必要な相続登記を行います。

STEP7|売却条件を決める

共有状態になった場合には、 共有者全員で不動産全体を売却するのか、 自分の共有持分だけを売却するのかを検討します。

STEP8|売買契約・決済へ進む

必要な登記や権利関係を整理したうえで、 買主との売買契約・決済・所有権移転へ進みます。

相続人が多すぎて遺産分割がまとまらない場合

相続登記を何十年も放置していると、 相続人が10人・20人以上になるケースもあります。

人数が増えるほど、

  • 不動産を売却したい人
  • 残したい人
  • 興味がない人
  • 連絡を無視する人

など、 考え方も分かれやすくなります。

遺産分割協議を成立させるには、 原則として相続人全員の合意が必要です。

当事者間で合意できない場合には、 遺産分割調停などを検討することがあります。

相続人の一人と連絡が取れない場合

数次相続によって相続人が増えると、 一度も会ったことがない親族が 相続人になることがあります。

住所や連絡先が分からない場合には、 戸籍・戸籍の附票など、 利用できる公的資料から 現在の所在を確認することがあります。

必要な調査をしても所在が分からない場合には、 状況に応じて不在者財産管理人などの制度を 検討することがあります。

遺産分割がまとまる前に法定相続分で登記すればいい?

遺産分割がまとまらない場合に、 法定相続分による共有登記を検討するケースがあります。

ただし、 とりあえず共有登記をしたからといって、 相続人同士の問題そのものが解決するわけではありません。

むしろ、 共有状態になった後には、

  • 不動産全体の売却
  • 使用方法
  • 賃貸
  • 修繕
  • 固定資産税

などについて、 共有者間で新たな調整が必要になります。

「とりあえず共有にする」ことが 最終的な解決になるとは限らない 点に注意しましょう。

相続人申告登記とは?

遺産分割がまとまらず、 期限内に通常の相続登記を行うことが難しい場合には、 相続人申告登記 という制度があります。

相続人申告登記は、 登記名義人について相続が開始したことと、 自分がその相続人であることを 登記官へ申し出る制度です。

一定の要件を満たして 期限内に申出を行うことで、 相続登記の申請義務を履行したものとみなされます。

ただし、 相続人申告登記は、 遺産分割を成立させたり、 具体的な持分を確定したりする手続きではありません。

その後遺産分割が成立した場合には、 その内容に応じた登記が別途必要になります。

相続人申告登記=相続問題の解決ではない

相続人申告登記は、 相続登記義務への対応として利用できる制度です。 しかし、 ・誰が不動産を取得するか
・何分の何を取得するか
・不動産を売却するか を決める制度ではありません。

相続登記を放置していても固定資産税はなくならない

登記名義を変更していなくても、 不動産を所有・相続していることに伴う 税金や管理の問題がなくなるわけではありません。

相続人の代表者などへ 固定資産税の納税通知書が届くケースがあります。

また、 一人だけが固定資産税を支払い続けている場合には、 後で他の相続人・共有者との間で 負担の精算が問題になることがあります。

空き家を放置すると建物も劣化する

相続登記だけでなく、 相続した建物そのものを 長期間放置することにも注意が必要です。

人が住まなくなった建物では、

  • 雨漏り
  • 湿気・カビ
  • 給排水設備の劣化
  • 庭木・雑草の繁茂
  • 害虫・害獣
  • 不法侵入

などが発生する可能性があります。

建物の状態が悪化すれば、 将来売却するときの価格や 解体費用にも影響することがあります。

相続登記未了・相続人多数でも売却方法を確認

何世代も相続登記をしていない不動産でも、 現在の権利関係を整理しながら 売却方法を検討できます。

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相続登記後に共有状態になった場合

相続関係を整理した結果、 不動産が、

  • A:1/3
  • B:1/3
  • C:1/3

の共有になるケースがあります。

この場合、 不動産全体を通常の方法で売却するには、 原則として共有者全員の協力が必要です。

一方、 Aが自分の1/3持分だけを売却するのであれば、 原則としてB・Cの同意は必要ありません。

共有者が多くても自分の共有持分は売却できる?

相続登記によって 自分の共有持分が確定している場合には、 自分の持分だけを第三者へ売却できます。

たとえば、 共有者が10人いても、 自分の持分について売却を検討することは可能です。

原則として、 他の共有者全員から 売却の同意をもらう必要はありません。

そのため、

  • 共有者が多すぎて全体売却がまとまらない
  • 一部の共有者と連絡が取れない
  • 共有者同士の関係が悪い
  • 固定資産税の負担から離れたい

という場合には、 共有持分だけの売却も選択肢になります。

持分が数十分の1でも売却できる?

数次相続が繰り返されると、

  • 1/10
  • 1/20
  • 1/50
  • 1/100

など、 非常に小さな共有持分になることがあります。

持分が小さいという理由だけで、 売却が法律上当然に禁止されるわけではありません。

ただし、 共有持分単独の価格は、

  • 持分割合
  • 不動産の市場価格
  • 共有者の人数
  • 利用状況
  • 権利関係

などによって変わります。

少数持分でも「0円」とは限らない

相続を繰り返して 持分が小さくなっていても、 「少なすぎるから価値がない」 と自己判断する必要はありません。 まず現在の持分割合と 不動産全体の状況を確認することが重要です。

共有者全員で売却できるなら全体売却も検討

相続登記を整理した結果、 共有者全員と連絡が取れ、 全員が売却に合意できるのであれば、 不動産全体を通常の方法で売却できます。

一般的には、 共有持分だけを個別に売却するよりも、 不動産全体を通常の市場で売却した方が 価格面で有利になる可能性があります。

そのため、

  • 全体売却が可能か
  • 共有持分だけ売却する必要があるか

を比較して判断することが重要です。

共有者が売却に反対している場合

共有者の一人が、

「先祖代々の土地だから売りたくない」

と反対するケースがあります。

不動産全体を通常売却する場合には、 原則としてその共有者の協力も必要です。

一方、 自分の共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

また、 共有状態そのものを解消したい場合には、 共有物分割を検討する方法もあります。

相続登記を放置した不動産を整理する流れ

STEP1|登記名義人を確認

登記事項証明書で、 現在誰の名義になっているのか確認します。

STEP2|相続の履歴を整理

登記名義人が亡くなった後、 何回相続が発生しているのかを確認します。

STEP3|現在の相続人を確認

戸籍関係書類などを確認し、 現在手続きに関係する相続人を整理します。

数次相続が発生している場合には、 亡くなった相続人について 次の相続人まで確認する必要があります。

STEP4|連絡が取れない相続人を確認

相続人の中に、

  • 住所が分からない人
  • 海外在住者
  • 音信不通の人
  • 生死が分からない人

がいないか確認します。

必要に応じて所在調査や 家庭裁判所を利用した手続きを検討します。

STEP5|遺産分割を整理

不動産を誰が取得するのか決まっていない場合には、 相続人間で遺産分割を行います。

協議で合意できない場合には、 遺産分割調停などを検討することがあります。

STEP6|相続登記を行う

相続関係・遺産分割の内容に基づき、 必要な相続登記を申請します。

手続きが複雑な場合には、 司法書士へ依頼する方法もあります。

STEP7|不動産を査定

権利関係を整理しながら、 不動産全体の市場価格を確認します。

共有状態になる場合には、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格も 比較すると判断しやすくなります。

STEP8|売却方法を決定

  • 共有者全員で不動産全体を売却する
  • 共有者間で持分を売買する
  • 自分の共有持分だけを第三者へ売却する
  • 共有物分割によって共有状態を解消する

などから、 現在の状況に合った方法を検討します。

何世代も相続登記していない不動産でもご相談できます

共有者が多数いる場合や、 自分の持分が少ない場合でも、 現在の権利関係を確認しながら 共有持分の価格を査定できます。

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相続登記を放置した場合に避けたいこと

「売るときに登記すればいい」と放置する

時間が経つほど、 次の相続が発生する可能性があります。

現在は相続人が3人でも、 10年・20年後には 関係する相続人が大幅に増えている可能性があります。

固定資産税を払っている人が所有者だと思い込む

固定資産税を一人で支払っているからといって、 その人が当然に不動産全部の所有者になるわけではありません。

税金の支払者と 不動産の所有権は分けて確認する必要があります。

家族内の認識だけで相続人を判断する

「この土地は長男が相続したはず」

と家族が認識していても、 必要な遺産分割や登記が行われていないケースがあります。

戸籍・遺言・遺産分割協議書・登記などを確認し、 法的な権利関係を整理しましょう。

相続人申告登記だけで相続手続きが終わったと思う

相続人申告登記は、 相続登記の申請義務への対応として利用できる制度ですが、 具体的な所有権や持分を確定する手続きではありません。

その後遺産分割が成立した場合には、 必要な登記を別途行う必要があります。

空き家・土地の管理まで放置する

登記手続きに時間がかかっていても、 不動産そのものの管理は必要です。

特に空き家では、 建物の劣化や近隣トラブルなどが 発生する可能性があります。

相続登記の放置でよくある質問

Q. 2024年より前に親が亡くなっています。相続登記義務化は関係ありますか?

2024年4月1日より前に発生した相続でも、 相続登記が未了であれば義務化の対象になります。 2024年4月1日より前に相続による取得を知っていたケースでは、 原則として2027年3月31日までが申請期限となります。 具体的な期限は相続を知った時期などによって異なる場合があるため、 個別に確認しましょう。

Q. 相続登記をしなかったら必ず10万円払うのですか?

期限を過ぎた瞬間に 自動的に10万円を支払うという意味ではありません。 正当な理由なく相続登記の申請義務に違反した場合に、 10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

Q. 祖父名義のままですが売却できますか?

祖父がすでに亡くなっている場合には、 現在の相続関係を確認し、 売却に必要な相続登記を整えたうえで 買主への所有権移転を進めるのが基本です。 相続登記未了でも、 査定や売却方法について事前に相談することはできます。

Q. 祖父の相続人だった父もすでに亡くなっています

最初の相続手続きが終わる前に 相続人が亡くなっている場合には、 数次相続が発生している可能性があります。 祖父の相続関係だけでなく、 その後の父の相続関係まで確認する必要があります。

Q. 相続人が20人以上いる場合でも登記できますか?

相続人が多数いる場合でも、 相続関係を確認し、 必要な手続きを行うことは可能です。 ただし、戸籍収集・所在確認・遺産分割などが 複雑になる可能性があります。 早い段階で司法書士・弁護士などへ相談することも検討しましょう。

Q. 相続人の一人と連絡が取れない場合はどうしますか?

まず戸籍・戸籍の附票など、 利用できる公的資料から現在の所在を確認します。 それでも所在が分からない場合には、 状況に応じて不在者財産管理人などの制度を 検討することがあります。

Q. 遺産分割が決まらない場合は相続登記義務に違反しますか?

遺産分割がまとまらず、 通常の相続登記を期限内に行うことが難しい場合には、 相続人申告登記によって 申請義務を履行したものとみなされる制度があります。 ただし、遺産分割成立後には、 その内容に応じた登記が別途必要になります。

Q. 相続人申告登記をすれば不動産を売却できますか?

相続人申告登記は、 具体的な所有権や持分を確定する制度ではありません。 そのため、相続人申告登記をしただけで、 自分が不動産全部または一定持分の所有者として 自由に売却できるようになるわけではありません。 売却には相続関係・遺産分割・必要な登記を整理する必要があります。

Q. 固定資産税を20年間自分だけが払っています。不動産は自分のものになりますか?

固定資産税を長期間支払っているという事情だけで、 他の相続人や共有者の権利が当然に消滅し、 不動産全部が自分のものになるわけではありません。 所有権と税金の負担は分けて確認する必要があります。

Q. 相続登記後に共有者が10人になりました。自分の持分だけ売れますか?

相続登記などによって自分の共有持分が確定している場合には、 自分が所有する持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく第三者へ売却できます。 不動産全体を通常売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

Q. 持分が100分の1しかありません。それでも売却できますか?

持分が小さいという理由だけで、 売却が法律上禁止されるわけではありません。 ただし、共有持分単独の価格は、 不動産全体の価格に持分割合を掛けた金額と 同じになるとは限りません。 現在の権利関係を確認したうえで査定することが重要です。

少数持分・相続人多数でも査定できます

数次相続によって共有者が増えている場合や、 持分が数十分の1・数百分の1になっている場合でも、 共有持分の価格を確認できます。

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相続登記を放置するリスクを一覧で確認

リスク 主な内容
相続人が増える 次の相続が発生し、関係者が増える可能性がある
遺産分割が難しくなる 人数が増えるほど全員との協議が複雑になりやすい
連絡が取れない人が出る 住所不明・海外在住・音信不通の相続人が現れる可能性がある
売却が難しくなる 権利関係を整理しなければ通常の売却を進めにくい
費用が増える 戸籍収集・専門家費用・不動産管理費などが増える可能性がある
建物が劣化する 空き家を長期間放置すると修繕・解体費用が増える可能性がある
過料の可能性 正当な理由なく申請義務に違反すると10万円以下の過料の対象となる可能性がある
早く整理するほど関係者を増やしにくい

相続登記を放置して最も避けたいのは、 次の相続、その次の相続へ問題を引き継ぐこと です。 現在の世代で整理できる不動産は、 相続人・権利関係を確認し、 早めに今後の方針を決めることが重要です。

まとめ|相続登記の放置は次の世代ほど複雑になる

相続登記を長期間放置すると、 時間が経つほど権利関係が複雑になる可能性があります。

特に注意したいのが、 最初の相続手続きが終わる前に 相続人が亡くなり、 次の相続が発生する 数次相続です。

最初は、

  • 長男
  • 次男
  • 長女

の3人だけだったとしても、 それぞれについて相続が発生すれば、 関係する相続人が10人以上になる可能性があります。

相続人が増えると、

  • 戸籍を集める
  • 現在の住所を確認する
  • 全員へ連絡する
  • 遺産分割を行う
  • 必要書類をそろえる

といった手続きも複雑になります。

また、 2024年4月1日から 相続登記は義務化されています。

原則として、 相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から 3年以内に相続登記を申請する必要があります。

義務化より前に発生した相続についても対象となり、 一定の場合には 2027年3月31日が期限となります。

正当な理由なく申請義務に違反した場合には、 10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

遺産分割がまとまらず、 期限内に通常の相続登記を行うことが難しい場合には、 相続人申告登記を利用できるケースがあります。

ただし、 相続人申告登記は 具体的な所有者や持分を確定する制度ではありません。

  • 相続が何回発生しているか
  • 現在の相続人
  • 遺言・遺産分割の有無
  • 抵当権・差押えなどの権利関係
  • を確認し、 必要な相続登記を行います。

    何世代も相続登記をしていない場合には、 過去から現在までの相続関係を 順番に確認する必要があります。

    その過程で、

    • 一度も会ったことがない相続人
    • 住所が分からない相続人
    • 海外に住んでいる相続人
    • 遺産分割に応じない相続人

    が見つかることもあります。

    そのため、 相続登記は時間が経ってから行うほど、 手続きが簡単になるのではなく、 複雑になる可能性があります。

    相続関係を整理した結果、 複数人の共有になった場合には、 不動産全体を通常の方法で売却するために、 原則として共有者全員の協力が必要です。

    一方、 すでに自分の共有持分が確定しているのであれば、 自分の共有持分だけを 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

    共有者が10人・20人いる場合や、 自分の持分が、

    • 10分の1
    • 50分の1
    • 100分の1

    などの少数持分になっている場合でも、 持分が小さいという理由だけで 売却が当然にできなくなるわけではありません。

    ただし、 共有持分単独の価格は、 不動産全体の市場価格に 単純に持分割合を掛けた金額とは限りません。

    そのため、 共有者全員で売却できるのであれば 不動産全体の売却を検討し、 全体売却が難しい場合には 共有持分単独の査定額を比較することが重要です。

    相続登記を放置している不動産は、 「まだ使わないからそのままでいい」と考えるのではなく、 現在の登記・相続人・数次相続・遺産分割の状況を早めに確認し、 相続登記・全体売却・共有持分の売却など、 現在の世代でできる整理方法を検討することが重要です。

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