共有物分割請求で不動産は競売になる?競売を避ける方法と分割方法を解説

相続・共有トラブル

共有名義の不動産について、 共有者同士の話し合いがまとまらず、 共有物分割請求をされることがあります。

特に自宅や相続した実家などでは、

「共有物分割請求されたら家は競売になる?」
「売りたくなくても強制的に売られる?」
「競売を避ける方法はある?」

と不安になる方も多いでしょう。

結論からいうと、 共有物分割請求をされたからといって、 必ず不動産が競売になるわけではありません。

共有物分割には、 主に、

  • 現物分割
  • 賠償分割
  • 競売による換価

という方法があります。

そのため、 自分が不動産を残したい場合には、 相手の持分を取得して金銭で調整する方法などによって 競売を避けられる可能性があります。

一方、 現物分割も賠償分割も難しい場合には、 最終的に裁判所から 競売を命じられる可能性があります。

この記事では、 共有物分割請求で競売になるケース、 競売を避ける方法、 現物分割・賠償分割・競売の違い、 裁判になる前にできる対策まで解説します。

  1. 共有物分割請求をされたら必ず競売になる?
  2. 共有物分割請求とは?
  3. 共有物分割の主な3つの方法
    1. ① 現物分割
    2. ② 賠償分割
    3. ③ 競売による換価
  4. 3つの分割方法を比較
  5. どんな場合に競売になる可能性がある?
    1. 共有物分割で競売になる前に持分価格を確認
  6. 共有物分割による競売を避ける5つの方法
    1. 方法① 相手の持分を買い取る
    2. 方法② 賠償分割を目指す
    3. 方法③ 不動産全体を任意売却する
    4. 方法④ 自分の共有持分だけを売却する
    5. 方法⑤ 訴訟になる前に条件交渉する
  7. 自宅を競売にしたくない場合はどうする?
  8. 相手の持分はいくらで買い取ればいい?
  9. 資金が足りない場合は?
  10. 競売になる前に任意売却するメリット
  11. 自分の共有持分だけを売って競売問題から離れる方法
    1. 競売・買取・持分売却を比較したい方へ
  12. 共有物分割訴訟の基本的な流れ
  13. 競売になったら売却代金はどうなる?
  14. 住宅ローン・抵当権がある場合は注意
  15. 第三者から共有物分割請求された場合
  16. 共有者が売却に反対している場合との違い
  17. 共有物分割で競売を避けたい場合に避けるべきこと
    1. 請求を無視する
    2. 「売りたくない」とだけ主張する
    3. 不動産価格を確認しない
    4. 資金調達を後回しにする
  18. 共有物分割と競売でよくある質問
    1. 共有物分割で競売になる前に選択肢を比較
  19. まとめ|共有物分割請求=競売ではない。早めの対策が重要

共有物分割請求をされたら必ず競売になる?

必ず競売になるわけではありません。

共有物分割の目的は、 共有状態を解消すること です。

その方法として、 不動産を物理的に分ける方法や、 一部の共有者が不動産を取得して 他の共有者へ金銭を支払う方法もあります。

そのため、

共有物分割請求 = すぐに競売

ではありません。

ただし、 共有者同士で話し合いがまとまらず、 裁判上の共有物分割となった場合に、 他の方法による分割ができないケースでは 競売が命じられる可能性があります。

重要

共有物分割請求をされた時点で 競売が決まっているわけではありません。 ただし、 「自分は売りたくない」 と反対するだけで、 必ず競売を防げるわけでもありません。 競売以外の具体的な分割方法を 早めに検討することが重要です。

共有物分割請求とは?

共有物分割請求とは、 共有状態になっている財産について、 共有者がその共有関係を解消するために 分割を求めることです。

たとえば、

  • A:1/2
  • B:1/2

で一つの不動産を共有している場合、 AまたはBが共有状態を解消したいと考えれば、 共有物分割を求めることがあります。

まず共有者同士で 分割方法を話し合います。

協議で解決できない場合には、 裁判所へ共有物分割請求をすることがあります。

共有物分割の主な3つの方法

① 現物分割

不動産そのものを物理的に分割する方法です。

土地であれば、 分筆して、 それぞれの共有者が 分割後の土地を単独所有する方法などがあります。

たとえば、 一つの土地をAとBが2分の1ずつ所有している場合に、 土地を2つに分け、 AとBがそれぞれ単独所有する方法です。

ただし、

  • 土地が狭い
  • 建物が建っている
  • 接道条件に問題が生じる
  • 分割すると利用価値が大きく下がる

場合などは、 現物分割が難しいことがあります。

② 賠償分割

共有者の一人または複数人が 不動産を取得し、 他の共有者へ持分価値に応じた金銭を支払う方法です。

たとえば、

  • A:1/2
  • B:1/2

という自宅について、 Aが不動産全体を取得し、 BへBの持分価値に相当する金銭を支払う方法です。

自宅を残したい場合には、 競売を避けるための重要な選択肢になります。

ただし、 不動産を取得する側には、 他の共有者へ支払うための 十分な資力が必要になります。

③ 競売による換価

現物分割などによる解決が難しく、 他の共有者へ金銭を支払って 不動産を取得する方法も取れない場合には、 競売によって不動産を換価する方法が問題になります。

競売で不動産を売却し、 その売却代金を 各共有者の権利関係に応じて分配します。

この方法では、 共有状態そのものは解消できますが、 不動産を残したかった共有者も 所有権を失う可能性があります。

3つの分割方法を比較

分割方法 内容 特徴
現物分割 不動産そのものを分ける 土地など物理的に分割しやすい場合に検討
賠償分割 一部の共有者が取得し、他の共有者へ金銭を支払う 不動産を残したい場合の有力な方法
競売による換価 競売して売却代金を分ける 他の方法で分割できない場合に問題となる

どんな場合に競売になる可能性がある?

共有物分割訴訟になったからといって、 すべての不動産が競売になるわけではありません。

競売が問題になりやすいのは、 たとえば、

  • 建物付き土地で現物分割が難しい
  • 土地を分割すると価値が大きく下がる
  • 誰も不動産全体を取得する意思がない
  • 取得したい共有者が代償金を支払えない
  • 共有者同士で他の解決方法がまとまらない

といったケースです。

特に、 一般的な戸建住宅やマンションなどは、 物理的に共有者ごとへ分割することが難しいため、 賠償分割が成立するかどうかが 重要になることがあります。

共有物分割で競売になる前に持分価格を確認

自分が持分を売る場合、 相手の持分を買う場合の判断材料として、 現在の共有持分価格を確認できます。

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共有物分割による競売を避ける5つの方法

方法① 相手の持分を買い取る

不動産を残したい場合には、 共有物分割を求めている相手の持分を 自分が買い取る方法があります。

相手が売却に合意し、 価格がまとまれば、 裁判や競売まで進まずに 共有状態を解消できます。

すべての共有持分を取得できれば、 自分の単独所有になります。

方法② 賠償分割を目指す

任意の売買では合意できず 共有物分割訴訟へ進んだ場合でも、 自分が不動産を取得し、 他の共有者へ金銭を支払う方法を 検討できる場合があります。

自宅を残したいのであれば、 重要な選択肢です。

ただし、 相手の持分価値に応じた金銭を支払えるだけの 資力を準備する必要があります。

方法③ 不動産全体を任意売却する

不動産を残すことが難しい場合でも、 裁判所の競売になる前に 共有者全員で不動産全体を任意売却する方法があります。

任意売却であれば、 通常の不動産市場で買主を探し、 価格や引渡し条件などを 交渉できる余地があります。

競売になる可能性が高い場合には、 任意売却した場合の価格と 比較して判断することが重要です。

方法④ 自分の共有持分だけを売却する

不動産そのものを残す必要がなく、 共有トラブルから離れたい場合には、 自分の共有持分だけを売却する方法があります。

自分が所有する共有持分であれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。

自分の持分全部を売却すれば、 原則として自分は共有関係から離れます。

方法⑤ 訴訟になる前に条件交渉する

共有物分割訴訟になってからではなく、 請求を受けた段階で、

  • 相手持分の買取
  • 自分の持分売却
  • 不動産全体の任意売却
  • 価格条件

について交渉する方法があります。

早い段階で条件がまとまれば、 裁判・競売まで進まずに解決できる可能性があります。

自宅を競売にしたくない場合はどうする?

共有物分割の対象が自宅の場合には、 競売を避けて住み続けたい方も多いでしょう。

この場合、 単に、

「売却には反対です」

と主張するだけではなく、 具体的な解決方法を準備することが重要です。

たとえば、

  • 自分が不動産全体を取得したい
  • 相手の持分を買い取りたい
  • 相手持分の価値に相当する金銭を支払える
  • 購入・支払資金を準備できる

といった内容です。

賠償分割を目指すのであれば、 資金面の準備が非常に重要になります。

競売を避けたいなら「資金準備」が重要

不動産を自分が取得したい場合には、 ・不動産全体の価格
・相手の持分割合
・相手持分の評価額
・自己資金
・利用できる融資 を早い段階で確認しましょう。

相手の持分はいくらで買い取ればいい?

他の共有者の持分を任意に買い取る場合、 法律で一律の売買価格が決められているわけではありません。

当事者間で合意した価格で売買します。

価格を考える際には、

  • 不動産全体の市場価格
  • 相手の持分割合
  • 共有持分単独での価格
  • 自分が取得した後に単独所有になるか

などを確認します。

訴訟上の賠償分割では、 裁判上の評価が問題になるため、 任意売買の価格と必ず同じになるとは限りません。

資金が足りない場合は?

相手の持分を買い取りたいものの、 手元資金だけでは足りないケースがあります。

その場合には、 金融機関から融資を受けられるか 確認する方法があります。

ただし、 共有持分だけを担保にする融資と、 持分取得後に単独所有となる不動産への融資では、 金融機関の判断が異なる可能性があります。

不動産を残したいのであれば、 共有物分割訴訟が進む前から 資金調達の可能性を確認しておくことが重要です。

競売になる前に任意売却するメリット

不動産を自分が取得することが難しい場合には、 共有者全員で任意売却する方法を検討できます。

任意売却には、

  • 通常の市場で買主を探せる
  • 売出価格を検討できる
  • 買主と条件を交渉できる
  • 引渡し時期を調整できる場合がある

などのメリットがあります。

そのため、 競売による換価が現実的になっている場合には、 競売まで待つのではなく、 任意売却できないか検討することも重要です。

自分の共有持分だけを売って競売問題から離れる方法

共有状態そのものに疲れていて、 不動産を残すことにもこだわらない場合には、 自分の共有持分だけを第三者へ売却する方法があります。

自分の共有持分だけなら、 原則として他の共有者の同意は必要ありません。

ただし、 すでに共有物分割訴訟が進行している場合には、 訴訟の状況や売却後の影響も確認してから 判断することが重要です。

競売・買取・持分売却を比較したい方へ

共有物分割が進む前に、 自分の共有持分が現在いくらになるのか確認しておくと、 複数の解決方法を比較しやすくなります。

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共有物分割訴訟の基本的な流れ

STEP1|共有者間で協議

まず共有者同士で、 共有状態をどのように解消するのか話し合います。

STEP2|協議がまとまらなければ訴訟

話し合いで解決できない場合には、 共有者が裁判所へ 共有物分割訴訟を提起することがあります。

STEP3|分割方法を検討

裁判では、 不動産の性質や利用状況、 共有関係などを踏まえて、 どのような方法で共有状態を解消するかが検討されます。

STEP4|現物分割・賠償分割などを検討

現物を分けられるのか、 一部の共有者が全部または一部を取得して 他の共有者へ金銭を支払う方法が可能なのかなどが問題になります。

STEP5|他の方法が難しければ競売の可能性

現物分割や賠償分割による解決ができない場合などには、 競売による換価が命じられる可能性があります。

競売になったら売却代金はどうなる?

共有物分割によって不動産全体が競売され、 買受人が代金を納付すると、 不動産は買受人へ移転します。

共有者側では、 競売費用などを考慮したうえで、 各共有者の持分関係に応じて 換価された金銭を受け取ることになります。

ただし、 不動産に抵当権などの担保権が設定されている場合には、 その権利関係によって配当関係が変わることがあります。

住宅ローン・抵当権がある場合は注意

共有不動産に住宅ローンの抵当権が付いている場合には、 共有物分割だけではなく、 抵当権者との関係も確認する必要があります。

共有者同士で所有関係を変更したとしても、 抵当権が当然に消えるわけではありません。

任意売却や持分買取をする場合には、

  • 住宅ローン残高
  • 抵当権の対象
  • 共同担保の有無
  • 抵当権抹消の条件

などを確認する必要があります。

第三者から共有物分割請求された場合

共有物分割請求をしてくるのは、 親族やもともとの共有者だけとは限りません。

他の共有者が持分を第三者へ売却した場合や、 共有持分が競売で第三者へ移転した場合には、 新しい共有者から共有物分割請求を受けることがあります。

第三者であっても、 適法に共有持分を取得していれば 現在の共有者です。

そのため、 親族ではないという理由だけで 共有物分割請求を無視することはできません。

共有者が売却に反対している場合との違い

共有者の一人が、 単に、

「不動産全体を売りたい」

と言っている段階と、 共有物分割請求をしている段階は分けて考える必要があります。

通常の売買で不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として共有者全員の協力が必要です。

一方、 共有物分割請求では、 共有状態そのものの解消を求めています。

そのため、 他の共有者が全体売却に反対していても、 共有物分割の裁判手続きへ進む可能性があります。

共有物分割で競売を避けたい場合に避けるべきこと

請求を無視する

共有物分割を無視しても、 相手が訴訟を起こせば 手続きは進む可能性があります。

裁判所から書類が届いた場合には、 内容と期限を必ず確認しましょう。

「売りたくない」とだけ主張する

不動産を残したい場合には、 反対するだけではなく、

  • 相手持分を買い取る
  • 自分が全部取得する
  • 必要な資金を準備する

などの具体案を検討することが重要です。

不動産価格を確認しない

賠償分割や持分買取では、 不動産価格が重要になります。

相手が主張する金額だけではなく、 客観的な価格を確認しましょう。

資金調達を後回しにする

自分が不動産を取得したくても、 他の共有者へ支払う資金を用意できなければ、 賠償分割による解決が難しくなる可能性があります。

早い段階で資金計画を立てましょう。

競売を避けるためのチェック項目

・不動産全体の市場価格
・自分と相手の持分割合
・相手持分の価値
・自分が不動産を取得したいか
・相手へ支払える資金があるか
・融資を利用できるか
・任意売却した場合の価格
・自分の持分だけ売却した場合の価格 を早めに整理しましょう。

共有物分割と競売でよくある質問

Q. 共有物分割請求されたら必ず競売になりますか?

必ず競売になるわけではありません。 現物分割や、一部の共有者が不動産を取得して 他の共有者へ金銭を支払う賠償分割などの方法があります。 これらによる解決が難しい場合などに、 競売が問題になる可能性があります。

Q. 自分が売却に反対すれば競売を止められますか?

単に売却へ反対しているというだけで、 共有物分割そのものを永久に拒否できるとは限りません。 不動産を残したい場合には、 相手持分の買取や賠償分割などの具体的な方法を検討することが重要です。

Q. 自宅でも競売になる可能性がありますか?

自宅として使用していることだけを理由に、 共有物分割による競売の可能性が当然になくなるわけではありません。 自宅を残したい場合には、 相手持分の取得や賠償分割に必要な資金を早めに検討することが重要です。

Q. 相手の持分を買い取れば競売を避けられますか?

相手が任意売却に合意し、 価格・条件がまとまって共有状態を解消できれば、 共有物分割訴訟や競売まで進まずに解決できる可能性があります。

Q. 裁判になっても自分が不動産全部を取得できますか?

状況によっては、 一部の共有者が不動産を取得し、 他の共有者へ金銭を支払う賠償分割が認められる可能性があります。 ただし、必ず希望どおりになるわけではなく、 不動産の状況や共有者間の公平、支払能力などが問題になります。

Q. 競売になる前に普通に売却できますか?

共有者全員が合意すれば、 不動産全体を通常の売買によって第三者へ売却する方法があります。 競売の可能性がある場合には、 任意売却した場合の価格や条件も比較するとよいでしょう。

Q. 自分の共有持分だけ売却して共有関係から離れられますか?

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。 ただし、すでに共有物分割訴訟が進んでいる場合には、 現在の訴訟状況も確認したうえで判断することが重要です。

共有物分割で競売になる前に選択肢を比較

相手持分の買取・全体売却・自分の持分売却などを比較するために、 まず現在の共有持分価格を確認できます。

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まとめ|共有物分割請求=競売ではない。早めの対策が重要

共有物分割請求をされたからといって、 必ず不動産が競売になるわけではありません。

共有状態を解消する方法には、

  • 現物分割
  • 賠償分割
  • 競売による換価

などがあります。

特に自宅などを残したい場合には、 相手の共有持分を買い取ったり、 自分が不動産を取得して 他の共有者へ金銭を支払ったりする方法を 検討できます。

一方、 現物分割が難しく、 不動産を取得する共有者も 他の共有者へ十分な金銭を支払えない場合などには、 競売による換価が問題になる可能性があります。

そのため、 競売を避けたい場合には、 単に、

「売りたくない」

と主張するだけではなく、

  • 不動産全体の市場価格を確認する
  • 相手持分の価値を確認する
  • 相手持分を買い取れるか検討する
  • 必要な資金を準備する
  • 融資が利用できるか確認する
  • 任意売却との条件を比較する
  • 自分の持分だけを売却する方法も比較する

ことが重要です。

共有物分割訴訟が進み、 競売による換価が現実的になってからでは、 選べる方法が少なくなる可能性があります。

共有物分割請求を受けた段階で、 「不動産を残したいのか」「共有関係から離れたいのか」を明確にし、 相手持分の買取・賠償分割・任意売却・自分の持分売却を比較して、 競売になる前に具体的な解決方法を検討することが重要です。

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