共有者が海外在住でも不動産は売却できる?必要な手続きと持分売却を解説

相続・共有トラブル

共有名義の不動産を売却したいものの、 共有者の一人が海外に住んでいるケースがあります。

たとえば、

  • 兄弟の一人が海外へ移住した
  • 相続人が海外で生活している
  • 海外赴任が長期化している
  • 共有者が日本に住民票を置いていない

といった場合です。

結論からいうと、 共有者が海外在住でも不動産を売却することは可能です。

ただし、 不動産全体を売却する場合には、 海外在住の共有者についても 本人確認・意思確認・登記手続きなどが必要になります。

一方、 自分が所有する共有持分だけを売却する場合には、 原則として海外在住の共有者の同意は必要ありません。

この記事では、 海外在住の共有者がいる不動産の売却方法、 必要になる主な書類・手続き、 自分の持分だけを売却する方法まで解説します。

  1. 共有者が海外在住でも不動産は売却できる?
  2. 不動産全体を売却するなら共有者全員の協力が必要
  3. 自分の共有持分だけなら海外共有者の同意は原則不要
    1. 海外在住の共有者と手続きを進めるのが難しい方へ
  4. 海外在住の共有者がいる場合に確認すること
    1. ① 現在の居住国・住所
    2. ② 日本に住民登録が残っているか
    3. ③ 日本国籍か外国籍か
    4. ④ 本人が日本へ来られるか
    5. ⑤ 登記上の住所
  5. 海外在住者の本人確認・住所証明はどうする?
  6. 本人が帰国できなくても売却できる?
  7. 海外在住の共有者と連絡が取れない場合は?
  8. 海外在住の共有者が死亡している場合
  9. 相続登記が終わっていない場合は?
  10. 海外在住の共有者がいる場合の売却方法を比較
    1. 海外共有者との手続きが複雑で困っている方へ
  11. 海外在住の共有者がいる不動産を売却する流れ
  12. 自分の共有持分だけを売却する流れ
  13. 海外在住の共有者がいる場合に時間がかかりやすい理由
    1. 書類の取得に時間がかかる
    2. 書類の郵送に時間がかかる
    3. 本人確認・意思確認が複雑になる
    4. 住所変更・相続登記が必要になることがある
    5. 時差によって連絡調整に時間がかかる
  14. 海外在住だからといって勝手に持分を処分できるわけではない
  15. 海外在住の共有者がいる場合によくある質問
    1. 海外共有者がいて売却が進まない方へ
  16. まとめ|海外在住でも売却可能。全体売却と持分売却を分けて考える

共有者が海外在住でも不動産は売却できる?

共有者が海外に住んでいるという理由だけで、 日本国内の不動産を売却できなくなるわけではありません。

共有者全員が不動産全体の売却に合意し、 必要な本人確認や登記手続きを行えれば、 売却を進めることができます。

ただし、 海外在住者の場合には、 日本国内に住んでいる人と同じ書類を そのまま用意できないケースがあります。

たとえば、 日本に住民登録がない場合には、 住民票や印鑑証明書の代わりとなる書類・証明方法を 確認する必要があります。

不動産全体を売却するなら共有者全員の協力が必要

たとえば、

  • 兄:1/2(日本在住)
  • 弟:1/2(海外在住)

で不動産を共有しているとします。

この不動産全体を第三者へ売却する場合には、 原則として兄と弟の双方が売却に協力する必要があります。

弟が海外にいるからといって、 兄だけで弟の1/2持分まで勝手に売却することはできません。

自分の共有持分だけなら海外共有者の同意は原則不要

一方、 兄が自分の1/2持分だけを売却する場合には、 原則として海外にいる弟の同意は必要ありません。

売却後は、

  • 買主:1/2
  • 弟:1/2

という共有状態になります。

つまり、 「不動産全体を売る場合」と 「自分の共有持分だけを売る場合」では、 海外在住の共有者の協力が必要かどうかが異なります。

海外在住の共有者と手続きを進めるのが難しい方へ

不動産全体の売却が難しい場合でも、 自分の共有持分だけなら売却できる可能性があります。

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海外在住の共有者がいる場合に確認すること

① 現在の居住国・住所

まず、 共有者が現在どの国のどこに住んでいるのか確認します。

必要書類の取得方法は、 居住国や本人の国籍などによって異なる場合があります。

② 日本に住民登録が残っているか

海外在住でも、 状況によって日本の住民登録の有無が異なります。

日本国内の印鑑証明書などを取得できる状態なのか、 別の証明方法が必要なのか確認します。

③ 日本国籍か外国籍か

「海外在住」と「外国籍」は同じ意味ではありません。

日本人が海外に住んでいる場合もあれば、 外国籍の共有者が海外に住んでいる場合もあります。

国籍や居住国によって、 必要書類や証明方法が異なる可能性があります。

④ 本人が日本へ来られるか

売却時に日本へ帰国できるのか、 海外にいたまま手続きを進めるのかによっても 準備方法が異なります。

本人が来日できない場合には、 郵送や代理人などを利用して 手続きを進めるケースがあります。

⑤ 登記上の住所

海外へ転居した後も、 登記簿上の住所が日本国内の旧住所のままになっているケースがあります。

所有権移転登記に先立って、 住所変更に関する登記や 住所のつながりを証明する書類が必要になることがあります。

海外在住者の本人確認・住所証明はどうする?

日本国内に住民票や印鑑証明書がない場合には、 それに代わる本人確認・住所証明等が必要になります。

日本国籍の海外在住者では、 状況に応じて日本の在外公館で取得する 証明書などを利用するケースがあります。

たとえば、

  • 署名証明
  • 在留証明

などです。

ただし、 必要になる証明書は 登記内容や手続き方法によって異なります。

実際に取得する前に、 登記を担当する司法書士へ 必要書類を確認しておくとスムーズです。

重要

海外在住者の必要書類は、 国籍・居住国・登記上の住所・代理人の有無などによって変わります。 先に自己判断で書類を集めるより、 司法書士等へ必要書類を確認してから準備する方が効率的です。

本人が帰国できなくても売却できる?

本人が日本へ帰国できない場合でも、 必要な本人確認・意思確認・書類準備ができれば、 海外にいながら売却手続きを進められるケースがあります。

状況によっては、 日本国内の代理人へ 売却手続きの一部を委任する方法も検討できます。

ただし、 委任状があれば何でも代理できるというわけではありません。

売買契約や登記に必要な権限を明確にし、 本人確認方法なども含めて 事前に確認することが重要です。

海外在住の共有者と連絡が取れない場合は?

海外に住んでいることは分かっていても、

  • 現在の住所が分からない
  • 電話・メールに応答がない
  • 何年も連絡を取っていない

というケースがあります。

この場合には、 単に「海外在住」という問題ではなく、 共有者と連絡が取れない・所在を確認できない問題として 対応を考える必要があります。

不動産全体を売却したい場合には、 現在の所在確認などが必要になる可能性があります。

一方、 自分の共有持分だけを売却する場合には、 原則としてその共有者の同意は必要ありません。

海外在住の共有者が死亡している場合

共有者が海外在住中に死亡している場合には、 さらに相続関係の確認が必要です。

死亡した共有者の持分は、 原則として相続人へ承継されます。

そのため、 不動産全体を売却する場合には、

  • 共有者がいつ・どこで死亡したのか
  • 相続人は誰なのか
  • 相続人がどの国に住んでいるのか
  • 相続登記が完了しているか
  • 海外で取得した証明書をどう使用するか

などを確認する必要があります。

海外で死亡している場合や、 相続人が外国籍・海外在住の場合には、 日本国内だけで完結する相続より 必要書類や確認事項が増える可能性があります。

一方、 他の共有者が海外で死亡しているという事情だけで、 自分自身が所有している共有持分まで 当然に売却できなくなるわけではありません。

相続登記が終わっていない場合は?

海外在住の共有者が相続によって不動産を取得したものの、 まだ相続登記が終わっていないケースもあります。

また、 亡くなった共有者の名義が そのまま登記に残っているケースもあります。

実際に相続した持分を売却するためには、 現在の相続関係を確認し、 必要な相続登記を行うことになります。

相続人が海外にいる場合には、 国内在住の相続人だけの場合とは異なる書類が 必要になることもあります。

海外在住の共有者がいる場合の売却方法を比較

売却方法 海外共有者の協力 主な特徴
不動産全体を売却 原則必要 海外共有者を含め全員で売却手続きを進める
他の共有者へ自分の持分を売却 売却先との合意が必要 共有者間で持分を整理できる
自分の持分だけ第三者へ売却 原則不要 自分だけ共有関係から離れられる
専門業者へ自分の持分を売却 原則不要 海外共有者がいる状態を前提に相談できる場合がある

海外共有者との手続きが複雑で困っている方へ

不動産全体を売却せず、 自分の共有持分だけを整理する方法もあります。 まず現在の持分価格を確認できます。

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海外在住の共有者がいる不動産を売却する流れ

STEP1|登記・持分割合を確認

まず登記事項証明書で、 現在の共有者とそれぞれの持分割合を確認します。

STEP2|海外共有者の状況を確認

  • 現在の居住国
  • 現在の住所
  • 国籍
  • 日本の住民登録の有無
  • 日本へ帰国できるか

などを確認します。

STEP3|必要書類を確認

司法書士などへ、 本人確認・住所証明・登記に必要な書類を確認します。

海外で取得する書類が必要な場合には、 取得方法や原本の要否なども確認しておきます。

STEP4|売却方法を決める

不動産全体を売却するのか、 自分の共有持分だけを売却するのかを決めます。

全体売却の場合には、 海外在住の共有者を含めて 必要な手続きを進めます。

STEP5|契約・登記・決済

必要書類が揃ったら、 売買契約、本人確認、所有権移転登記、 売買代金の決済を進めます。

自分の共有持分だけを売却する流れ

STEP1|自分の持分を確認

登記事項証明書で、 自分が所有している持分割合を確認します。

STEP2|共有状況を整理

海外在住の共有者について、 居住国・連絡状況・利用状況など 分かる範囲で整理します。

STEP3|持分単独の査定を依頼

不動産全体ではなく、 自分の共有持分だけを売却した場合の価格を確認します。

STEP4|価格・契約条件を確認

査定額だけではなく、

  • 最終的な売買価格
  • 決済時期
  • 必要書類
  • 売主負担の費用
  • 売却後の対応

まで確認します。

STEP5|売買契約・決済

条件に納得できれば売買契約を締結し、 決済と所有権移転登記を行います。

自分の持分全部を売却すれば、 原則として自分は共有関係から離れることになります。

海外在住の共有者がいる場合に時間がかかりやすい理由

書類の取得に時間がかかる

海外で証明書を取得する必要がある場合には、 日本国内だけで書類を揃える場合より 時間がかかることがあります。

書類の郵送に時間がかかる

原本のやり取りが必要な場合には、 国際郵便などによる時間も考慮する必要があります。

本人確認・意思確認が複雑になる

本人が日本へ来られない場合には、 司法書士や売買関係者が どのような方法で本人確認・意思確認を行うか 事前に調整する必要があります。

住所変更・相続登記が必要になることがある

登記上の住所が古い場合や、 相続登記が未了の場合には、 売却前に別の登記手続きが必要になる可能性があります。

時差によって連絡調整に時間がかかる

居住国によっては日本との時差が大きく、 本人・司法書士・不動産会社などの 連絡調整に時間がかかることがあります。

早めに準備したいもの

海外在住の共有者がいる場合には、 ・居住国と現在住所
・国籍
・登記上の住所
・日本への帰国予定
・代理人を利用するか
・必要な本人確認書類 を早めに確認しておくと、 売却手続きを進めやすくなります。

海外在住だからといって勝手に持分を処分できるわけではない

共有者が海外に住んでいて 手続きが面倒だからといって、 その人の持分を他の共有者が勝手に処分することはできません。

また、 本人の承諾なく署名や押印を行って 売却手続きを進めることもできません。

海外在住者本人の持分を処分する場合には、 本人の意思確認や必要な手続きを適切に行う必要があります。

海外在住の共有者がいる場合によくある質問

Q. 共有者が海外に住んでいても不動産全体を売れますか?

海外在住という理由だけで売却できなくなるわけではありません。 共有者全員が売却に合意し、 必要な本人確認・意思確認・登記手続きができれば、 不動産全体の売却を進めることができます。

Q. 海外在住の共有者が日本へ帰国しないと売れませんか?

必ずしも本人が来日しなければならないとは限りません。 必要な本人確認・意思確認・書類準備ができれば、 海外にいながら手続きを進められるケースがあります。 具体的な方法は司法書士等へ確認しましょう。

Q. 印鑑証明書がない場合はどうしますか?

日本に住民登録がない海外在住者では、 印鑑証明書を通常どおり取得できない場合があります。 国籍や居住国などに応じて署名証明などの代替書類を利用するケースがあるため、 登記を担当する司法書士へ事前に確認することが重要です。

Q. 海外の共有者と連絡が取れなくても自分の持分だけ売れますか?

自分が所有している共有持分だけであれば、 原則として他の共有者の同意なく売却できます。 海外在住の共有者と連絡が取れないという事情だけで、 当然に自分の持分まで売却できなくなるわけではありません。

Q. 海外在住の共有者が死亡していた場合はどうなりますか?

死亡した共有者の持分は相続の対象になります。 不動産全体を売却する場合には、 相続人や相続登記の状況を確認する必要があります。 海外で死亡している場合や相続人が海外在住の場合には、 必要書類が複雑になることがあります。

Q. 海外在住者の持分を自分が勝手に売却できますか?

できません。 海外在住という理由だけでその共有者の所有権がなくなるわけではありません。 本人の持分を処分するには、 本人の意思や適切な手続きが必要です。

海外共有者がいて売却が進まない方へ

全体売却が難しい場合には、 自分の共有持分だけを売却して共有関係を整理する方法もあります。

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まとめ|海外在住でも売却可能。全体売却と持分売却を分けて考える

共有者が海外在住でも、 必要な本人確認・意思確認・登記手続きを行えば、 不動産を売却することは可能です。

ただし、 不動産全体を売却する場合には、 原則として海外在住の共有者を含めた 共有者全員の協力が必要です。

海外在住者については、

  • 現在の居住国・住所
  • 国籍
  • 日本の住民登録の有無
  • 登記上の住所
  • 本人確認・住所証明の方法
  • 日本へ帰国できるか

などを確認する必要があります。

一方、 自分が所有している共有持分だけを売却する場合には、 原則として海外在住の共有者の同意は必要ありません。

そのため、 海外共有者との書類準備や調整が難しく、 不動産全体の売却が進まない場合には、 持分単独売却も選択肢になります。

また、 海外在住者が死亡している場合や 相続登記が未了の場合には、 相続関係まで含めた確認が必要です。

まず現在の登記・共有者・持分割合を確認し、 不動産全体を売却するのか、 自分の共有持分だけを売却するのかを分けて考え、 必要な書類と手続きを早めに整理することが重要です。

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