共有持分を売却すると共有関係はどうなる?売却後に起こることを解説

共有持分の売却・買取

共有持分を第三者へ売却すると、

「残った共有者はどうなる?」
「買主が新しい共有者になる?」
「売却後に何か請求されることはある?」

と不安に思う方も多いでしょう。

結論からいうと、 自分の共有持分を第三者へ売却すると、 買主が売主に代わって新しい共有者になります。

たとえば兄弟で2分の1ずつ共有していて、 兄が自分の持分を第三者へ売却した場合、 弟の持分がなくなるわけではありません。

「兄+弟」の共有状態から、 「買主+弟」の共有状態へ変わります。

この記事では、 共有持分を売却した後の所有関係、 残った共有者への影響、 新しい共有者との間で起こり得ることまで解説します。

共有持分を売却すると買主が新しい共有者になる

共有持分を売却すると、 売主が持っていた所有権が買主へ移転します。

具体例として、

  • 兄:1/2
  • 弟:1/2

という共有状態を考えてみましょう。

兄が自分の1/2持分をA社へ売却すると、 売却後は、

  • A社:1/2
  • 弟:1/2

という共有状態になります。

つまり、 兄が共有関係から離れ、 A社が兄に代わって共有関係へ入る ということです。

他の共有者の持分はどうなる?

自分の共有持分だけを売却しても、 他の共有者が所有している持分まで移転するわけではありません。

先ほどの例なら、 兄が1/2を売却しても、 弟が所有している1/2はそのままです。

弟の同意なく、 弟の所有権まで買主へ移転することはありません。

ポイント

共有持分の売却では、 「不動産全体の所有者が変わる」のではなく、 「売却した持分の所有者だけが変わる」 と考えると分かりやすいです。

売却した本人は共有関係から離れられる?

自分が所有している共有持分を すべて売却した場合には、 原則としてその不動産の共有者ではなくなります。

たとえば自分が1/2を所有していて、 その1/2全部を売却すれば、 売却後の自分の持分は0になります。

そのため、 今後の共有不動産について、 共有者として管理や売却などの調整を続ける立場ではなくなります。

ただし、 売買契約上の義務や売却前に発生した費用・債務など、 売却しただけで過去のすべての問題が当然に消えるわけではありません。

共有関係から離れたい方へ

自分の共有持分全部を売却した場合の価格を確認して、 共有関係を整理する方法を検討できます。

共有持分を無料査定する

他の共有者へ売却したことは分かる?

自分の共有持分だけを売却する場合には、 原則として他の共有者の同意は必要ありません。

一方、 「同意が不要」=「売却したことが絶対に分からない」ではありません。

売却後には所有権移転登記が行われます。

他の共有者が登記を確認すれば、 新しい所有者を把握できます。

また、 新しい共有者から他の共有者へ連絡が入る場合もあります。

新しい共有者から連絡が来ることはある?

あります。

共有持分を購入した買主は、 正式な共有者になります。

そのため、 残った共有者に対して、

  • 共有状態について話し合いたい
  • 持分を買い取りたい
  • 自分の持分を買ってほしい
  • 不動産全体を売却したい
  • 不動産の利用について話し合いたい

などの連絡をする可能性があります。

新しい共有者から持分を売ってほしいと言われたら?

共有持分を購入した第三者から、 残った共有者へ、

「あなたの持分も売ってほしい」

と提案するケースがあります。

しかし、 単に買取を提案されたからといって、 その価格で必ず売却しなければならないわけではありません。

売却するかどうか、 いくらなら売るのかは、 自分の持分について判断します。

逆に「こちらの持分を買ってほしい」と言われることもある

新しい共有者から、

「自分が取得した持分を買いませんか?」

と提案される場合もあります。

購入すれば、 残った共有者が単独所有になれるケースもあります。

ただし、 購入する義務が当然に発生するわけではありません。

価格や資金、 今後その不動産を所有したいかなどを考えて判断します。

不動産全体の売却を提案される場合もある

新しい共有者が、 不動産全体を第三者へ売却して 共有状態を解消することを提案する場合があります。

共有者全員が合意できれば、 不動産全体を売却して、 持分などに応じて売却代金を整理する方法を検討できます。

一方、 共有者の一人が自分の持分を取得しただけで、 他の共有者の持分まで勝手に第三者へ売却できるわけではありません。

第三者が共有者になった場合に起こり得ること

起こり得ること 内容
新共有者から連絡 共有状態について協議を求められる場合がある
持分買取の提案 残った共有者の持分を買いたいと言われる場合がある
持分売却の提案 新共有者の持分を買わないか提案される場合がある
全体売却の提案 不動産全体を売却して共有解消を提案される場合がある
共有物分割 共有状態を解消するための協議・請求へ進む場合がある

知らない第三者が共有者になったらどうする?

他の共有者が自分の持分を第三者へ売却し、 突然知らない人や会社が共有者になった場合でも、 慌てて相手の提案を受け入れる必要はありません。

まず、

STEP1|登記を確認

誰が何分の何を取得したのか、 登記事項証明書などで確認します。

STEP2|相手の提案内容を確認

持分を売ってほしいのか、 相手の持分を買ってほしいのか、 不動産全体を売りたいのかを整理します。

相手から書面や金額の提示がある場合には、 内容を確認してから対応を判断します。

STEP3|自分の希望を整理

今後も不動産を所有したいのか、 自分も持分を売却したいのか、 不動産全体を売却したいのかを整理します。

STEP4|価格の妥当性を確認

持分の売買を提案された場合には、 提示された金額だけで判断せず、 不動産全体の市場価格や持分の価値を確認します。

STEP5|今後の共有関係を判断

新しい共有者との共有状態を続けるのか、 持分売買や不動産全体の売却などによって 共有状態を解消するのか検討します。

自分も共有関係から離れたい方へ

第三者が共有者になった後でも、 自分の共有持分だけを売却できる可能性があります。 まず現在の持分価格を確認できます。

共有持分を無料査定する

共有物分割を求められる可能性もある

新しい共有者が、 共有状態をそのまま続けることを希望しない場合には、 共有物分割を求める可能性があります。

共有物分割とは、 共有状態を解消するための手続きです。

まず共有者同士で、 どのように共有状態を解消するか話し合うことが考えられます。

たとえば、

  • 一方が他方の持分を取得する
  • 不動産全体を売却して代金を分ける
  • 不動産そのものを分割できる場合には現物で分ける

などの方法があります。

話し合いでまとまらない場合には、 裁判所での共有物分割請求へ進む可能性もあります。

共有物分割請求されたら必ず不動産を失う?

共有物分割請求をされたからといって、 その時点で直ちに不動産を失うわけではありません。

共有状態をどのように解消するかについて、 まず協議することが考えられます。

たとえば自分が不動産を残したい場合には、 相手の持分を取得する方法を検討できるケースがあります。

一方、 共有者間で解決できず裁判へ進んだ場合には、 不動産の状況などに応じて裁判所が分割方法を判断することになります。

売却前に知っておきたい「売却後の変化」

項目 売却前 売却後
売主 共有者 持分全部を売れば原則離脱
買主 共有者ではない 新しい共有者になる
他の共有者 従来の共有者と共有 買主と共有する
他共有者の持分 そのまま 原則そのまま
共有関係 従来のメンバー 売主から買主へ入れ替わる

売却後の固定資産税や費用はどうなる?

共有持分を売却すると、 固定資産税や管理費などの費用負担についても 整理が必要になります。

固定資産税は、 原則として毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。

そのため、 年の途中で持分を売却したからといって、 自治体との関係でその年の固定資産税の納税義務が 自動的に日割りで切り替わるわけではありません。

実際の不動産売買では、 売主と買主との間で固定資産税等を 決済時に日割り精算することがあります。

売却後の費用負担については、 売買契約の条件も確認しましょう。

売却後にトラブルを残さないための注意点

契約条件を確認する

売却価格だけではなく、 決済日や費用負担、 その他の契約条件まで確認します。

売却後の買主の対応を確認する

他の共有者との関係を気にしている場合には、 買主が取得後どのような対応を予定しているのか 確認しておくことも重要です。

「絶対に他の共有者に知られない」と考えない

売却後には所有権移転登記が行われ、 買主から他の共有者へ連絡する可能性もあります。

そのため、 他の共有者に永久に知られないことを前提に 売却するのは避けた方がよいでしょう。

売却前の費用関係を整理する

固定資産税や修繕費など、 売却前から共有者間で精算していない費用がある場合には、 売却後も問題が残る可能性があります。

売却によって過去の債権・債務が 当然にすべて消えるわけではない点に注意しましょう。

共有持分の売却後についてよくある質問

Q. 自分の持分を全部売ったら共有関係から抜けられますか?

自分が所有する共有持分全部を売却して所有権移転が完了すれば、 原則としてその不動産の共有者ではなくなります。 ただし、売却前から存在する費用負担や契約上の義務などは別途確認が必要です。

Q. 自分が売ったら他の共有者の持分も買主へ移りますか?

移りません。 自分の共有持分だけを売却した場合、 買主へ移転するのは原則として売却対象となった自分の持分だけです。

Q. 買主は不動産全体を勝手に売却できますか?

持分だけを取得した買主が、 他の共有者の持分まで勝手に第三者へ売却することはできません。 不動産全体を売却する場合には原則として共有者全員の協力が必要です。

Q. 新しい共有者から持分を売れと言われたら売る義務がありますか?

単に買取を提案されたというだけで、 提示された条件で必ず売却しなければならないわけではありません。 価格や今後の方針を確認して判断します。

Q. 新しい共有者から共有物分割請求されることはありますか?

新しい共有者も共有者として共有物分割を求めることがあります。 協議で解決できなければ、裁判所での手続きへ進む可能性もあります。

Q. 売却後も固定資産税を払うことがありますか?

固定資産税は原則として毎年1月1日時点の所有者に課税されます。 年の途中で売却した場合の売主・買主間の負担については、 売買契約で日割り精算することがあります。

売却前に確認したいこと

共有持分を売却するときには、 ・誰が新しい共有者になるのか
・売却後に他の共有者へ連絡する可能性
・固定資産税などの費用精算
・売買契約上の条件
・共有物分割など今後起こり得ること まで理解してから判断することが重要です。

共有関係を整理して持分を現金化したい方へ

現在の共有状況でも売却できるか、 まず共有持分単独の査定価格を確認できます。

共有持分を無料査定する

まとめ|売却後は買主が新しい共有者になる

共有持分を第三者へ売却すると、 買主が売主に代わって新しい共有者になります。

たとえば、

  • 兄:1/2
  • 弟:1/2

だった不動産について、 兄が自分の1/2を第三者へ売却すれば、

  • 買主:1/2
  • 弟:1/2

という共有状態になります。

兄が持分全部を売却すれば原則として共有関係から離れますが、 弟の持分までなくなるわけではありません。

売却後には、

  • 新しい共有者から連絡が入る
  • 持分売買を提案される
  • 不動産全体の売却を提案される
  • 共有状態の解消について協議する
  • 共有物分割を求められる

などが起こる可能性があります。

そのため、 共有持分を売却するときには、 「いくらで売れるか」だけではなく、 売却後に誰が新しい共有者になり、 共有関係がどう変化するのかまで確認して判断すること が重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました